vol.16 映画『輪違屋糸里~京女たちの幕末~』溝端淳平さん×佐藤隆太さん×塚本高史さん編

輪違屋糸里~京女たちの幕末~

インタビュー:伊藤さとり
インタビュー日:2018年11月30日(金)

 

ーー皆さんとは、数々の映画作品の司会でお世話になっていますが、この三人が並んでいるショットが、凄く嬉しいです。

塚本:お母さんの目線だね、まるで子を見るよう(笑)
出会ったのは、16年ぐらい前じゃないですか。『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』(03)』の司会していましたね。

佐藤:その後が『ロッカーズ』(03)。

 

ーー溝端さんとは『DIVE!!』(08)と『赤い糸』(08)でした。

溝端:お二人とは、16年ですか。僕は10年ぐらい前ですね(笑)
「木更津キャッツアイ」は、僕が中学生の時に凄く見ていた作品なんです。映画の撮影中は、だんだんと大丈夫になっていったのですが、久しぶりにお二人にお会いして、こういうシチュエーションになると“昔からテレビに出演していた人に今、挟まれている”と思うと凄く緊張するんです(笑)。

佐藤:そんな、そこまで思わないでしょ(笑)

溝端:控室が相部屋だったんですが、一言も喋れなかった……。

塚本:さっきも怒られて、めちゃめちゃ怖いんですよ(笑)

溝端:怒ってないです(笑)

 

輪違屋糸里~京女たちの幕末~

 

ーー映画を観ると溝端さんが演じられた“土方歳三”は、お二人にとっても怖い存在ですよね。

佐藤・塚本:本当に怖い。

溝端:鬼の副長ですからね。

 

ーー溝端さんは、今作以前にお二人と共演された事はありますか?

溝端:隆太さんとは、「失恋ショコラティエ」で共演した事があって。塚本さんとは、たまたま渡部篤郎さんとの食事の場でお会いする機会がありました。

塚本:それがあったから、今回も京都で一緒に飲みに行こうよって(笑)

溝端:篤郎さんは後輩が帰ると言うまで帰らない方で、塚本さんは先輩が帰ると言うまで帰らない方なので、朝の7時まで飲んだ事が一回ありました(笑)

塚本:あったね(笑)それを経て、今回の撮影でした。とっても演じやすかったです。

溝端:仲良くして頂いて、良かったです。

 

ーー実在する新選組のメンバーを演じられて、どうでしたか?

塚本:撮影の内容としては、ピリピリしていたのかもしれないけれど、撮影の合間は和気あいあいとしていました。

 

ーー塚本さんは“芹澤鴨”を演じられていますが、どうでしたか?

塚本:史実というか、新選組について詳しいわけではなかったので、変な先入観なく、演じられたと思います。『輪違屋糸里』に描かれている“芹澤鴨”を全う出来たと思っています。

佐藤:淳平は新選組のこと凄く好きだよね。

溝端:新選組は、好きです。幕末の話は、好きですね。

輪違屋糸里~京女たちの幕末~

 

ーーちなみに誰が好きなんですか?

溝端:誰が一番って言ったら、やっぱり“坂本龍馬”。

新選組のメンバーだと一番が“斎藤一”で、その次が“土方歳三”です。

やっぱり、土方を演じるのはプレッシャーがありました。この作品に登場する“土方”は、特に酷い男なので。

佐藤:おっかないよね。完成した作品を観ると、面と向かい合っているシーン以外の裏の顔を観る事が出来るから、“恐ろしい”って思いました。僕らがいない時に、こんな事を言っていたのかって。

一同:(笑)

溝端:作品の話の中ですよ(笑)

佐藤:そうなんだけど……。もちろん、台本で読んでいるんですが、完成した作品を観るとよりパンチが強い。

溝端:この作品の“土方”は、なかなかのヒールですからね。

輪違屋糸里~京女たちの幕末~

 

ーー佐藤隆太さん演じる“平山五郎”の恋愛は切なかったですね。

塚本:切なかったね、一番、純愛でしたね。僕とは真逆。お相手の女性との関係性も僕らは慣れ親しんで夫婦みたいな感じだったし(笑)平山は今から始まる恋って感じで“純”だなあって思いました。

佐藤:松井玲奈さん演じる“吉栄”がとても魅力的だったので、二人で演じているシーンは凄く楽しかったです。

輪違屋糸里~京女たちの幕末~輪違屋糸里~京女たちの幕末~

 

ーー佐藤さんと塚本さんはとても仲良しですが、共演するのが楽しみだったのではないですか?

塚本:カモフラージュですよ、裏ではあまり会いたくないし。

一同:(笑)

佐藤:お互いに共演NGを出しているんです。それなのに全然聞いてくれなくて(笑)

塚本:何でだろうね。

 

ーーだれも信じてないですよ、皆が笑ってます(笑)

塚本:これだけは言わせて欲しいのですが、僕と隆ちゃんが出ると前の作品の名残りというか“楽しそうなんだろうな”ってあるけど、作品を観てもらうとわかるんだけど、昔からの仲良さとかじゃないじゃないですか、役を通して話がちゃんと見えるから、それがあるので共演してもありがたいなって思います。本当に。ガッツリ絡む役柄だったらまた違う芝居が出来たと思いますが、今回は上下関係もあったし。

佐藤:一緒のシーンは、ほとんどなかったですしね。作品は、ヒリヒリする物語ですが、共演者に恵まれたおかげで現場は楽しく、リラックスできてバランスが取れました。

塚本:確かに。

 

ーーお三方は、俳優の中では中堅の少し上の立場になりますね。

溝端:待って下さい、僕はまだ入ってないですよ。新人のつもりでいますから。

塚本:僕だって新人ですよ。初心忘れるべからずです。

 

ーーでも、新人ではないですよね。

溝端:お二人は、大先輩ですから。

佐藤:大先輩ってほどではないんじゃない。

塚本:淳平だって、芸歴長いじゃない。

溝端:まだ、10年ちょっとです。お二人は、20年ぐらいですよね。

佐藤・塚本:まあ、いってますけど。

塚本:現場に入った時は、ZEROから。一緒だからね。

溝端:確かに。

 

ーー自分たちが役者を続けていく上で、大切にしている事はなんですか?

塚本:それは、この人(佐藤隆太)から教わりました。現場を楽しむ!出会いだったり、自分が楽しくないと観てくれる人達にも喜怒哀楽を感じてもらえないと思うんです。まず自分が、現場で皆が疲れていても一番うるさいし、僕は18歳ぐらい(「木更津キャッツアイ」)の時に彼からそれを見習いました。皆が眠くてつらい時に一番うるさいの。その時“こういう人、大事だな”って思った。

佐藤:それって、喜んでいいの?

塚本:今、36歳ですけどその気持ちは忘れてないです。現場を楽しむ!

溝端:素晴らしい。

佐藤:僕が今思う事は“現場は、楽しむものではない”です。

一同:(笑)

佐藤:やっぱり、仕事であって遊びではないので(笑)

溝端:意見の食い違いですね(笑)僕は、現場を楽しみ過ぎず、楽しまなさ過ぎずですかね。二人のバランスを取って(笑)お二人が、こうやっていつも楽しくやって下さるし、締めるところは締めて、真剣なところは、引っ張って下さるので、本当にありがたい先輩方と思っています。緩和するところ、締めるところをきちんとして下さるので、そこは見習いたいと思っています。

 

ーー皆さんにとって、役者人生が変わったと思う作品ってなんですか?

溝端:僕にとっては、蜷川幸雄さんの舞台に出演した事が大きかったです。凄く、ボロカスに言われて、全否定されたんです。それがあったので、逆に怖いものがなくなったというか。自分が如何に足りてないかって事をハッキリ言ってくれる事って、なかなかないので、そこから積み上げて来たものは、間違いないと思えますし、吹っ切れましたね。

 

ーー藤原竜也さんと仲がいいのは、蜷川幸雄さん繋がりですか?

溝端:そうですね。

塚本:僕が初めて出演した映画『バトル・ロワイアル』(00)の監督が、深作欣二さんだったんです。あの映画に出演してなかったら、今の自分はなかったと思います。生きてるうちに、ご一緒出来て良かったです。

佐藤:難しいですね。やっぱりデビュー作は自分にとって大きいですね。でも役者にとって、どうしてもイメージって大きいじゃないですか。例えば当たり役といわれるような役を演じると、何となくそのイメージに寄った役が続いたり。そこをあえて違う、“この役で呼んでくれるんだ”って思う役を頂けた時は凄く嬉しいですし、その出会いを大事にしたい。
違うタイプの役を演じると、そこからまた今までとは違うタイプの役のオファーが来たり、そういう経験があったりするので、世間が持っているイメージとは真逆のオファーを頂けた時は凄く嬉しいです。そこがやっぱりターニングポイントになっているのかなと思いますね。

 

ーー強いて上げるとしたら何ですか?

佐藤:例えば、明るい役を演じた後にDVの役をやるとか。淳平と共演した「失恋ショコラティエ」の時は、「オネエ」の役だったんです。正直“俺、出来るかな”って凄く怯んだんです。それでも飛び込んでみたら、皆から面白かったよって言ってもらえたので。

溝端:僕は、フランス人とのハーフを演じました。思いっきり日本人なんですけどね(笑)

佐藤:あの時は、二人で変な事したよね。

溝端:(笑)オファーを頂けるという事は、面白いですよね。自分では、考えた事もなかったですし。

塚本:ハーフだもんね(笑)

佐藤:日本人がハーフを演じる。ある意味、英断だよ。

溝端:演じるにあたって、自分でカラーコンタクトを入れて、写真撮って“これでどうですか?”って送ったりしたんです。そしたら“カラーコンタクトいらない”って言われて(笑)フランス語で喋るシーンもあったので、フランス語も練習して撮影したんですが、OAではカットされちゃいました。

一同:(笑)

溝端:チャレンジ出来るってありがたい事です。

塚本:やってみないと分からないからね。

 

ーー今後、どんな作品に出演したいですか?

塚本:16歳の時に『バトル・ロワイアル』に出て、18歳で「木更津キャッツアイ」があって、この先どういう作品に出演出来るのかわからないじゃないですか。この先、どういう作品が待っていて、それが代表作になるかもわからないけど、その時に年相応の役が出来ていればいいと僕は思っています。

溝端:僕は、30代のうちに”溝端だったらこの役”とか”この作品”と言われるような代表作となるような作品に出会いたいです。自分にしか出来ないような役が頂ければ、幸せです。

佐藤:難しいな。素敵な役に出会いたいです(笑)

 

ーー塚本高史さんは、佐藤隆太さんにどんな役を演じてもらいたですか?

塚本:僕は、もう一度明るくて元気な熱い隆ちゃんを観たい。ふざけている隆ちゃんが観たいですね。

佐藤:やりたい!年齢が上がっていくと、あんまり……。

塚本:なかなか、演じさせてもらえないよね。

佐藤:役としても、上司とか父親とか、責任のある役が多くなってくる。

 

ーー確かに「ROOKIES」や「海猿」のような役柄は、なかなか見ないかも。

溝端:僕の隆太さんのイメージって「IWGP(池袋ウエストゲートパーク)」や「木更津キャッツアイ」なんです。もう一度観たいです。

佐藤:是非、オファー待ってます(笑)

 

輪違屋糸里~京女たちの幕末~

 

作品情報

輪違屋糸里 京女たちの幕末

輪違屋糸里 京女たちの幕末

  • 公開日
  • 2018年12月15日より
  • 劇場
  • 有楽町スバル座ほか全国にて順次公開
  • 配給
  • アークエンタテインメント
  • 公式HP
  • http://wachigaiya.com/
(C)2018銀幕維新の会/「輪違屋糸里」製作委員会

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伊藤さとり(いとう さとり)

映画パーソナリティ。邦画&洋画の記者会見や舞台挨拶を週5回は担当する映画MCであり、年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。
TSUTAYA店内放送「WAVE-C3」で新作DVD紹介のDJ、ケーブルテレビ無料放送チャンネル×ぴあ映画生活×Youtube:動画番組(俳優と対談)「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、雑誌「シネマスクエア」コラム、スターチャンネルで映画紹介他、TV、ラジオ、雑誌、WEBなどで映画紹介のレギュラーを持つ。心理カウンセリングも学んだことから映画で恋愛心理分析や恋愛心理テストも作成。

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