破片のきらめき 心の杖として鏡として

上映スケジュール



※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。

ストーリー

精神科病院の中にある造形教室。このアトリエには様々な困難を抱えながら生きている人たちがやってくる。アトリエを主宰する造形作家の安彦講平さんは、彼らに寄り添って40年、共に在る、かけがえのない創作の場を創り出してきた。アトリエ最古参の名倉さん。閉鎖病棟に入院中、安彦さんに出会ってから名倉さんの人生は変わった。一枚の絵の前でその時の記憶を語る。若い頃、画家を目指していたアトリエ最長老の石原さん。長い入院生活の中で一度は捨てようと思った絵を描く事への情熱を、アトリエに来て再び取り戻す。今では絵を描く事は「認められようが認められまいが、これが俺の仕事だ」と言いきる。子供の頃からの強迫性障害を抱えている本木さんは、アトリエに来て初めて絵を描き始めた。ある時、それまで好んで描いていた明るい彩りの絵に斜めに傷を入れてみると、何故かほっとした。それからは自身の症状を克明に描いた『宿痾(しゅくあ)シリーズ』を描き続けている。毎週行われる合評会で詩の朗読とギター演奏を行うのは江中さんと長谷川さん。ギターは得意な長谷川さんだが絵にはなかなか自信が持てない。先輩たちにいろいろアドバイスを受けるものの、創作の悩みは膨らむばかりだった。試行錯誤の中で絵が描けない日々が続く。江中さんたちの見守る中、とうとう長谷川さんは鬱症状が深まって入院することになる。佐藤さんが父親に連れられてアトリエにやってきた。かつて、いじめにあって調子を崩したと言う佐藤さん。安彦さんやアトリエの仲間たちとの交流の中でやっと自分の居場所を見つけることが出来た。今では活発に創作活動に励んでいる。退院した長谷川さんが自宅で描いてきた作品を持って来た。江中さん、谷本さんがその絵を見て感嘆の声を上げる。「よくやったね!」谷本さんの励ましに、それまで笑顔のなかった長谷川さんに笑みがあふれる。谷本さんはプロの画家を目指している。今、銀座の画廊から個展の話が持ち上がりその為の新作に取り組んでいるが、精神障害者の作品という目では見てほしくないと語る。ある日、突然江中さんが入院したという知らせがくる。薬を多量に服用してしまったための緊急入院だった。メンバー達が心配する中で長谷川さんは江中さんのために絵本を作り始めた。完成した絵本を持って長谷川さんは江中さんの入院している病院を訪ねた。絵本には江中さんを主人公にした御伽噺(おとぎばなし)が書かれていた。絵本を読む江中さんの目からはおもわず涙がこぼれ落ちる。展覧会で、入院中の江中さんに代わって本木さんがメンバーたちの心の叫びを綴った詩『或る決意』を朗読する。「或る日 心を病んでいるといわれている僕は 本当の自分に向き合っているか疑った 僕は何者なんだ……?


解説

困難な時を生きるすべての人たちに――。精神科病院の中にある造形教室。このアトリエには様々な困難を抱えながら生きている人たちがやってくる。アトリエを主宰する造形作家の安彦講平さんは、彼らに寄り添って40年、共に在る、かけがえのない創作の場を創り出してきた。カメラは、彼らとの10年以上にわたる交流をへて、現代には稀に見る【魂の創作の場】を捉えた。「病んでいる」と言われている人たちの描き出す作品群は、現代社会が見失ってしまったもの、私たちにとってかけがえのないものをくっきりと浮かび上がらせている。この映画は[心の病]を抱えた人たちの描く世界と、彼ら自身の生き方を通して、[病む]とは何か、[表現]とは何か、そして[生きる]とは何かを静かに問いかける。監督は、幅広い作品の撮影を手がけてきた高橋愼二。「佐賀のがばいばあちゃん」などの女優・吉行和子がナレーションを務めている。2008年ヴズール国際アジア映画祭(フランス)観客賞(ドキュメンタリー映画最優秀賞)受賞作品。


公開日2008年12月13日より
配給心の杖として鏡として製作委員会
制作国日本 (2008)
ジャンル 
スタッフ・キャスト


スタッフ

監督
プロデューサー
撮影
音楽
録音
音響効果
照明
編集
作曲
ナレーション
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