風雲児アドヴァース

イタリアレグホーンの町に住むスコットランド人のジョン・ボニフェザーには美しい娘マリヤがあった。彼女はスペインの外交官で権勢を振っているドン・ルイスに思われ、心に染まぬながらも嫁した。しかし彼女は若いアイルランド人の将校デニス・ムーアと恋仲だった。それを知ったドン・ルイスはムーアを決闘で殺してしまった。ドン・ルイスは妻マリアがムーアの子を宿していることを知るや、虐待したためについに身2つとなると同時に他界した。ドン・ルイスはその嬰児を町はずれの修道院の門前に捨てた。嬰児は尼僧たちに育てられ、神父ザヴィエルに教育を受け、10歳の時にボニフェザー商会に小僧奉公をすることとなった。主人のジョン・ボニフェザーはこのアンソニー・アドヴァースと名乗る子が死んだ娘マリアに生き写しなのに驚くが、彼が母の肖像を形見として持っているのを見て、アンソニーこそ自分の孫であることを知り、彼を紳商として仕込むこととなった。アンソニーは小間使いのアンジェラと幼い恋を語る様になったが、彼女の父がくじ成り金となって引っ越したため若き恋は破れた。彼の悲しみを慰めるのは家政婦フェイスの愛の手であった。20歳の青年となったアンソニーは社交界に出て、修道院時代の幼馴染みフローレンスと逢い、また歌姫となっているアンジュラとも再会した。アンソニーはアンジュラと結婚しようと約したが、彼女に思いを寄せるオペラの支配人デブルールは急遽1座を率いてローマへ去ってしまった。その頃イタリアへナポレオンが侵入し、ボニフェザー商会も閉鎖のやむなきに至ったので、祖父はアンソニーをハバナの取り引き先へ集金に旅立たせた。が債務者は既に死んでいた。そしてゆくりなくも、彼はドン・ルイスとデニス・ムーアの決闘に立ち会った僧フランソアと再会した。彼はスペインと黒人とのハーフのネレタと同棲したが、フランソアはイタリアへ帰ることを勧めるのあった。フランソアが布教中犠牲となるやアンソニーはレグホーンへ帰ったが、祖父ジョンは死んでしまっていた。彼を迎えたのは銀行員となっている少年時代の友ノルテであった。ドン・ルイスはフェイスと結婚していたが、アンソニーを邪魔扱いして、パリへ赴かんとするアンソニーをアルプス山中で殺そうと計った。それに失敗すると、パリでアンソニーをスパイと密告して投獄させた。がナポレオンの財政顧問となっているノルテは、アンソニーの身分を証明して救ってやった。そして彼はナポレオンの大舞踏会に出席し、図らずもナポレオンをパトロンとしているパリのプリマドンナたるアンジェラと会った。しかも彼女のもとにはアンソニーとの間に産まれたという子供さえいた。彼は今更のように運命の数奇なのに驚くのだった。彼はアンジェラの幸福を祈りつつ、愛児を抱いてアメリカへ雄飛せんと船出するのであった。

解説

ハーヴェイ・アレン作の長編小説の映画化で、「噫無情」「永遠の職場」のフレドリック・マーチが主役を勤める。脚色には「科学者の道」「異人種の争闘」のシェリダン・ギブニーがあたり、「支那ランプの石油」「母の素顔」のマーヴィン・ルロイが監督し「科学者の道」「支那ランプの石油」のトニイ・ゴーディオが撮影した。助演者は「海賊ブラッド」のオリヴィア・デ・ハヴィランドを始め、「科学者の道」のアルタ・ルイズ、「男装」のエドモンド・グウェン、「情熱なき犯罪」のクロード・レインズ、「晩春」のルイス・ヘイワード、ニューヨークシアター・ギルドのゲイル・ソンダーガード、「踊る海賊(1936)」のステフィ・デューナ、「白衣の天使」のビリー・モーチ及びドナルド・ウッズ、「将軍暁に死す」のエイキム・タミロフ、「愛と光」のラルフ・モーガン、「弾丸か投票か」のヘンリー・オニール及びジョージ・E・ストーン、その他多勢である。

  • 配給
  • ワーナー・ブラザース
  • 製作国
  • アメリカ(1936)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト