若い学生によって真の愛を知る女の姿を描く
ローマの高校。中庭に面した教室では家族の“狂気”に関するパスコリの詩について授業が行なわれていた。すると突然、若い女の人の叫び声が聞こえクラス中が窓際に集まる。向かいの屋根の上でナイトウェア姿の黒人の女性が今にも飛び降り自殺をしようとして何か叫んでいた。その騒ぎで目覚めたジュリア(マルーシュカ・デートメルス)は、その黒人女性と眼を交わし無言のうちに何か通じるものを感じ合った。その情景を目にした学生のアンドレア(フェデリコ・ピッツァリス)は、ジュリアが忘れられなくなった。翌日、アパートの外に出てジュリアを追ってアンドレアが教室を抜け出した。テロリストに父を殺されたジュリアは、父の墓碑に花を供えた。
解説
68年以後のポスト・テロリズムの時代を背景に若い学生によって真の愛を知る女の姿を描く。レイモン・ラディゲの同名の原作を大巾に改変し監督のマルコ・ベロッキオがエンリコ・パランドリと共同執筆、撮影はジュゼッペ・ランチ、音楽はカルロ・クリヴェッリ、編集はミルコ・ガッローネが担当。出演はマルーシュカ・デートメルス、フェデリコ・ピッツァリスほか。