破局

復員以来、小さな船を手に入れて漁業を行っているハリイ・モオガン(ジョン・ガーフィールド)は最近仕事が思わしくなく、下手をすると船さえ手離さなければならない状態だった。妻のルーシイ(フィリス・サクスター)は、彼を故郷の農場へやろうといつも口説くのだったが、海は彼のいのちであった。ある日彼は金につられてレオナ(パトリシア・ニール)という女をメキシコまで運んだ。彼女は船中何かと彼に言い寄ったが、彼は固くこばんで受けつけなかった。帰途、思った金は取れなくなり、やむなく彼は悪弁護士ダンカン(ウォーレス・フォード)の指金で中国人の密航者を乗船させたが、運悪くそのボス、シン(V・セン・ユン)はハリイに反抗して自らの弾丸で死んでしまった。殺人の苛責に耐えられなくなったハリイは、密航事件を察知した警察からにらまれたことなども手伝って日夜酒に親しむようになりレオナとの仲も次第に深くなっていった。ルーシイは離れて行く夫の心にひとり胸を痛めた。ついに船を売り払わなければならない時がやって来た。ハリイに、ダンカンは競売場の売上金強盗の片棒をかつぐようそそのかした。彼がそれを承知したのを知って、ルーシイは彼の元を去る決心をした。強盗に成功したギャングは、待ち構えたハリイの船で洋上に出たが、冷酷な彼らが親友のウェズリイ(ファノ・ヘルナンデス)を射殺した時彼の決心は決まった。故障とみせかけてピストルを取り出したハリイは3人のうち2人のギャングを倒したが、瀕死の頭目の1弾は彼を傷つけた。救われた彼は片腕を切断しなければならなかった。ルーシイの許しを知った時、彼は始めて手術を承諾した。港には急を聞いてレオナも駆けつけて来たが所詮彼女もハリイにとっては他人にすぎなかった。人の去った港にはウェズリイの息子だけが父の死も知らされずに立ちつくしていた。

解説

アーネスト・ヘミングウェイの小説「持てるものと持たざるもの」の第2回映画化(第1回は「脱出(1944)」)で、ジェリー・ウォルド「情熱の狂想曲」製作の1950年作品。「失われた心」のラナルド・マクドゥガルが脚色し、監督のマイケル・カーティズ、撮影のテッド・マッコード、音楽のレイ・ハインドーフはすべて「情熱の狂想曲」と同様である。主演は「さすらいの涯」のジョン・ガーフィールド、「摩天楼」のパトリシア・ニールに「暴力行為」のフィリス・サクスター。以下、「情熱の狂想曲」のファノ・ヘルナンデス、「罠(1949)」のウォーレンス・フォード、エドモンド・ライアン、ガイ・トマジャンらが助演。

1951年9月4日より

  • 配給
  • セントラル
  • 製作国
  • アメリカ(1950)
  • ジャンル
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