大林監督が芦別市を舞台にした人間ドラマ
冬の北海道芦別市。古物商「星降る文化堂」を営む元病院長、鈴木光男が92歳で亡くなった。葬式の準備のため、離れ離れに暮らしていた鈴木家の面々が里帰りしてくる。光男の妹・英子は82歳。光男の2人の息子はすでに他界し、それぞれ孫が2人ずついる。長男の息子、冬樹は大学教授。その娘・かさねは大学生。そして次男・春彦は原発で働いている。光男と一緒に暮らしていた孫のカンナは次男の娘で看護師だ。兄の秋人は風来坊で…。
解説
太平洋戦争の終結が告げられた1945年8月15日以降も戦争状態が続いていた樺太で、旧ソ連軍の侵攻を体験したひとりの男性。古物商を営む彼の死をきっかけに散り散りになっていた家族が葬儀のために帰郷、そこに現れた謎の女によって、彼の知られざる過去が明かされていく─。名匠・大林宣彦監督による本作は、北海道芦別市の美しい四季を背景に、ある老人の死後明らかになっていく過去とともに、戦争末期における樺太で起きたソ連軍侵攻の歴史を紐解きながら「平和」や「命の尊さ」について語りかける感動作。大林監督の前作『この空の花 −長岡花火物語』と姉妹編とも言える作品。ちなみに、タイトルの「なななのか」は、四十九日の意味。
2014年5月17日より有楽町スバル座ほか全国にて順次公開
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