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地上('57)

吉村公三郎が監督した文芸篇

金沢中学五年の大河平一郎は、針仕事で生計をたてている母のお光と、遊廓裏のある置屋の二階で貧しい暮しを送っていた。ある晩、部屋に冬子という若い女が飛びこんできた。彼女は明日置屋春風楼に売られることになっていたが、階下の主人に無体をいわれて逃げてきたのだ。平一郎は泣いて訴える冬子をただ見守る他なかった。学校の授業料にも事欠いて、お光は春風楼の下働きに行こうとするが、平一郎は反対した。学校で倫理の時間に校長が将来何になるかと質問した。軍人、芸術家志望の多い中で、平一郎は私利私欲に走らぬ、貧乏人を救う政治家になりたいと言った。その現代政治への痛烈な批判に、校長は学生の本分を逸脱するなと彼を叱った。友人の深井と重い気持で下校した平一郎は、その晩母と春風楼へ引越さねばならなかった。犀川のほとりへ散歩に出た平一郎は、登校の途中よく行き会う和歌子に逢った。お互いを意識して二人は過ぎた。

解説

大正初期の作家島田清次郎の同名小説を原作に「美徳のよろめき」の新藤兼人が脚色、「夜の蝶」の吉村公三郎が監督した文芸篇。撮影は「地獄花」の中川芳久。主演は「くちづけ(1957)」のコンビ川口浩と野添ひとみ、「太夫さんより 女体は哀しく」の田中絹代、「夜の鴎」の佐分利信、「ひかげの娘」の香川京子。ほかに川崎敬三、月田昌也、三宅邦子、新人安城啓子、小沢栄太郎、信欣三など。色彩は大映カラー。(キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)

  • 配給
  • -
  • 製作国
  • 日本(1957)
  • ジャンル
  • ドラマ 
  • スタッフ・キャスト
  • 監督:吉村公三郎
    出演:川口浩/田中絹代/殿山泰司/香川良介/野添ひとみ/清水将夫