島耕二が監督した文芸もの
鶴子は十六の秋、人よりおそい初経を迎えた。が、そんなよるこびもつかの間、鶴子はふとした病気から突然視力を失ってしまった。一時は悲しみと絶望で気が狂わんばかりの鶴子だったが、思い直してマッサージ療院へ住みこんで修業した。そして今では馴染客もでき、忙しい毎日を送るようになっていた。そんなある夜、鶴子は療治に出かける途中、石段につまずいた。そのとき後からやさしく鶴子を抱きとめてくれた男が、木越という実業家であった。その後木越は、鶴子を名指しで足繁く療治に通ってきた。鶴子はそんな木越をいつしか忘れられなくなっていった。そのころ鶴子のいるマッサージ療院に糸子という女が仲間入りした。
解説
舟橋聖一の原作『女めくら双紙』を「妖僧」の相良準三が脚色し「無茶な奴」の島耕二が監督した文芸もの。撮影は「黒の挑戦者」の渡辺公夫。(キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)