シリアの花嫁
シリアの花嫁
シリアの花嫁

シリアの花嫁

占領下の村で、シリア側へ嫁いでいく花嫁とその家族をめぐる一日を描き、「国境とは何か」と考えさせる佳作

イスラエル占領下のゴラン高原のある村。今日はモナが嫁ぐ日なのに、姉のアマルの表情が悲しげだ。それというのも、一度「境界」を越えてシリアへ行けば、二度と戻る事はできないのだ。やがて長男ハテム、次男のマルワンも結婚パーティにやってくる。しかし父は、ロシア人女性と結婚して家を出たハテムを許さない。パーティが終わり、モナの一家は「境界」へ向かう。無事、出国スタンプが押されるが、思わぬ出来事が待っていた。

解説

イスラエル占領下で「無国籍」として生きるという村の特殊な状況を背景に、前半では家族の一人ひとりが歩んだ道を通して、村人を縛る古い因習や、イスラエルの占領、そこから抜け出していく若者などを、ユーモアを交えながら紹介していく。前知識がなくても、この花嫁が置かれた特殊な状況はよくわかるだろう。後半は一転して「境界」が舞台となり、花嫁一行が延々と待たされるシーンが続く。物語の前半で、村の長老や一家の父親たちが面子や建前に縛られている様子が出てくるが、「境界」ではそれが国どうしに拡大しているだけで、本質は変わらない。この映画の女性たちは実に毅然としている。そこに未来を託している作者の視線が感じられる。

2009年2月21日より岩波ホールほか全国にて順次公開

  • 配給
  • シグロ、ビターズ・エンド
  • 製作国
  • イスラエル=フランス=ドイツ(2004)
  • ジャンル
  • ドラマ 
  • スタッフ・キャスト
  • 監督・脚本:エラン・リクリス
    出演:ヒアム・アッバス/アクラム・J・フーリ/クララ・フーリ/アシュラフ・バルホウム/エヤド・シェティ

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