ハリウッド大通り

ジョン・ブレークフォードはかつて鳴らした映画スターであったが、今ではすっかり忘れられている。映画会社も観客も彼の家族達までもブレークフォードを顧みなかった。しかしなお彼の名を忘れないでいる昔のファンが大勢いるに違いない。あるファン雑誌の発行者ジョーダン・ウィンスローはこれに目をつけ、彼に2万5000ドルの金を与えて回想録を書かせる事にした。その記事で過去の恋愛事件を赤裸らに告白すれば、再び映画界に復帰する機会を与えてやろうという約束である。ブレークフォードの第1回の原稿に編集者が手を入れて、実名や場所や日付まで明かな記事が発表され、ごうごうたる噂が広まった。雑誌の売れ行きは急激に増大しウィンスローは懐を肥やし、映画界の人々は次には誰の名が発表されるかと固唾を飲んでいた。しかしブレークフォードの娘パトリカはこの醜聞を嫌い、家族のためと思って記事を中止するように頼んだので、ブレークフォードも同意したが発行者はそれを承知しない。記事を書かねば映画界から永久に葬ってしまうというのである。ブレークフォードは身体窮つたが、不図その時彼はウィンスローの妻アリスが、昔彼と関係のあった女である事を知る。そこで彼はアリスを説いて夫に記事を中止させねば、次の章では彼女の事を書くといってウィンスローを動かそうとしたが、アリスも夫の企てを動かす事はできなかった。絶望的になった彼女はブレークフォードが録音機に原稿を吹き込んでいるところへ訪れ、拳銃を突きつけて邪魔しようとし誤って射ってしまう。パトリカが駆けつけた時はアリスはその場を逃げ、父は昏倒していた。四囲の状況で娘は犯行の嫌疑者とされたが、恋人ジェイは苦心の結果、二人の争いが録音機に吹き込まれているのを発見しそれを持ってウィンスローを訪れ、事情を明らかにして記事を中止させる。ブレークフォードの傷は幸い急所を外れて回復し、これが機会となって映画界に復帰する事が出来た。

解説

「真珠の首飾」のジョン・ハリデイ、新人マーシャ・ハント、「放遂豪華版」のロバート・カミングス、「愛の隠れ家」のC・ヘンリー・ゴードンが共演する映画で、「忘れられた顔(1936)」のマーゲリット・ロバーツが書き下ろした台本によって、「撮影所の惨劇」「国際列車」のロバート・フローリーが監督に当たり「美しき野獣」「宝石と女賊」のジョージ・クレメンスが撮影した。助演者は「情熱なき犯罪」のエスター・ラルストン、フリーダ・イネスコート、ベティー・カンプソン等であるが、その他サイレント映画時代にスター、準スターであった俳優が18名出演している。

  • 配給
  • 製作国
  • アメリカ(1936)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト