パトリス・ルコントのDOGORA

躍動する生命を描く音楽と映像のハーモニー

ゆったりと流れる大河メコン。そこは人々の生活の源だ。まぶしい太陽の光、やがてオレンジ色に染まる夕暮れの中、往来ではスクーターや自転車に鈴なりの人々と車が渾然となって行き交う。視線の強い子どもたち、時にくたびれて気怠そうな大人たち。樹液を採取するパラゴムの森、ジーンズ工場、ごみ捨て場、ガソリンスタンド、金色の田園……。子どもも大人も、働き、食べ、眠る。そんな、人としての基本の営みがここにはある……。

解説

パトリス・ルコントといえば、『髪結いの亭主』『橋の上の娘』などドラマ性に富んだフィクションを得意とする日本でも人気の高い、フランスの映画監督だ。そのルコントが、音楽と映像のみ─しかもドキュメンタリーでさえない─で綴る、美しい作品を届けてくれた。彼自身が音楽家エティエンヌ・ペルションの楽曲「DOGORA」に衝撃を受け、初めて訪れて圧倒されたというカンボジアを舞台に、ひたすら音楽にふさわしい絵を求めたのが本作。カメラが追った貧しくとも、たくましいカンボジアの人々のダイナミックな美しさには、書かれた台詞は必要ない。作為や仕掛けなどなくても、これほどまでにカラフルで雄弁な映画になるのだから。

2006年8月26日より東京都写真美術館ホールほか全国にて順次公開

  • 配給
  • アルバトロス・フィルム
  • 製作国
  • フランス(2004)
  • ジャンル
  • ドキュメンタリー 
  • スタッフ・キャスト
  • 監督:パトリス・ルコント
    音楽:エティエンヌ・ペルション
    撮影:ジャン=マリー・ドルージュ