悪徳刑事を通して地方誓察の腐敗、捜査刑事とやくざの癒着ぶりを描く
昭和32年。大原組内紛による倉島市のやくざ抗争は、反主流派・三宅組長の射殺と、大原組長の逮捕で一応終止符を打った。三宅派の友安政市が組を解散後市会議員となってから市政の腐敗が目立ち、友安の可愛がる大阪の流れ者・川手勝美が組を結成して以来、大原組の留守を預る若衆頭・広谷賢次との小競合が頻繁に起こるようになった。昭和38年。倉島署、捜査二課の部長刑事・久能徳松は、暴力班のベテラン刑事として腕をふるっていたが、現在の警察機構ではどんなに実績をあげても、昇進試験にパスしない限り、警部補にはなれない。彼の10年先輩の吉浦部長刑事がそのいい見本であった。
解説
広島抗争事件を背景に1人の悪徳刑事を通して地方誓察の腐敗、捜査刑事とやくざの癒着ぶりを描く。脚本は『あゝ決戦航空隊』の笠原和夫、監督は『仁義の墓場』の深作欣二、撮影は『まむしと青大将』の赤塚滋がそれぞれ担当。(キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)