豪華女優陣で贈る、市川崑監督作品
現代の煩雑な社会の一分子テレピプロデューサー風松吉。メカニズムに押し流されている彼には近づく女も多い。彼と関係した女は十指に余る。妻の双葉はそんな夫をあきらめて淋しい毎日をレストラン経営にまぎらわしていた。責任のない関係のつもりだったが、女の方では奇妙に風を忘れられない。行きづまりを感じている女優石ノ下市子もそんな1人だった。女たちは風のことが気になるあまり二言目には「風がポックリ死ねばよい」「風を誰か殺してくれないかしら」と言うのだった。女たちのそんな話を耳にした風本人は、十人の女が自分を謀殺しようとしていると思い込む。
解説
『足にさわった女(1960)』の和田夏十のオリジナル・シナリオを、『おとうと(1960)』の市川崑が監督した、テレビ界を舞台にした人間が人間でありたいというノスタルジーの物語。撮影は『お嬢さん』の小林節雄。(キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)