井上梅次監督による、時代劇もの
徳川二代将軍秀忠治世の頃。旗本屋敷を専門に狙う黒の盗賊の一団があった。大御所家康の寵愛を笠にきる執政本多忠勝、天海僧正は、町作りを志す秀忠の意志を軽視して築城計画を押しすすめた。秀忠の側近、旗本立花次郎は、悪政をいさめ、再三町作りの実現を迫ったが、本多、天海に一笑に附されてしまった。折も折、築城の秘密の洩れることを恐れた忠勝は、五人の棟梁に反逆罪をきせ、打首の刑を宣告した。万策つきた次郎は、黒の盗賊になりすまし、五人の命を救った。が、黒の盗賊の一団も又仕置場になだれ込み、江戸城は大混乱におちいった。
解説
『柔道一代 講道館の鬼』の結束信二と『間諜』の宮川一郎『暗黒街大通り』の井上梅次が共同でシナリオを執筆、井上梅次が監督した時代もの。撮影は『十兵衛暗殺剣』のわし尾元也。(キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)