ある歌い女(うたいめ)の思い出

チュニジア映画、日本初の劇場公開作品。1950年代の没落する王宮を舞台に「母」と「娘」の葛藤を描いた物語

歌い女アリヤ(アーメル・へディリ)は厳しい面持ちで恋唄を歌う。宴の席で聞く者は誰もおらず、また恋人ロトフィは宿っている子の出産を望んでいない。鬱々と過ぎ行く日々が続いていた時、ショッキングな知らせが届く。幼少の頃、実の父のように自分を可愛がってくれたシド・アリが死んだというのだ。シド・アリはチュニジア王政最後の皇太子で、アリヤの母ケディージャは王族と来客の前で踊る召使。アリヤは10年振りに王宮を訪ねたが、生気のないうらぶれた風景に消沈する。当時、召使は奴隷同然の身。歌手や踊り子も娼婦と同じようなもの。さらにケディージャはシド・アリの弟と関係を迫られ妊娠する。母の職業や所業に厳しい眼差しを向け、時に反発・軽蔑・否定していたアリヤだが、「娘」が「母」になることによってはじめて、「母」の本当の気持が分かるのだった…。

解説

カンヌ国際映画祭カメラ・ドール特別賞をはじめ、サンフランシスコ国際映画祭サダジッド・レイ賞など数々の受賞で華々しいデビューを飾った監督ムフィーダ・トゥラートリは、チュニジア人女性。この作品が初監督作品となる。チュニジア映画として日本初公開の作品だ。

2001年2月10日より中野武蔵野ホールにて

  • 配給
  • エスパース・サロウ
  • 製作国
  • チュニジア=フランス(1994)
  • ジャンル
  • ドラマ 
  • スタッフ・キャスト
  • 監督・脚本・編集:ムフィーダ・トゥラートリ
    出演:アーメル・へディリ/ヘンド・サブリ/ガーリア・ラクロワ ほか