チェコ人形アニメの巨匠たち

第二次世界大戦当時、チェコの芸術家やアニメーターたちは思うように作品が作れずにいた。ナチスドイツへの隷属の脅威により、多くの才能ある画家や他の芸術的才能を持った人々は、難を逃れるため、ドイツ帝国の映画の仕事を探さざるを得なかった。そんな状況の下、プラハで働いていたアニメーター、ウラジミール・ノヴォトニーらによって戦前に設立されたスタジオ“AFIT”はドイツによって接収される。ディズニーに対抗する企業を作ることが目的だった。そして、ブジェチスラル・ボヤルなど当時の優秀な美術大学の学生を集めて規模を拡大。アニメによるオペラ製作というプロジェクトを立ち上げるが、経験の無さから失敗に終わる。やがて、戦争による荒廃とともに“AFIT”は姿を消すが、その頃には才能あるアニメ製作者たちがグループを形成していた。そして、保護下で資金を獲得したプラハのスタジオが、戦後チェコアニメ映画の基礎となる作品を完成。それが「Wedding in a coral sea(珊瑚礁での結婚)」である。その後、映画製作が国有化され、国家が解放された1945年には、最初のカートゥーンスタジオ“トリック・ブラザーズ”が設立される。そのスタジオ責任者に就任したのが33歳のイジー・トルンカ。イラストレーター、グラフィックデザイナー、舞台美術家として成功を収めていた彼はまた、人形作家でもあった。こうして、チェコアニメの黄金時代が幕を開けた。

解説

チェコでは伝統的に社会風刺や体制告発の手段として人形劇が活用されてきた。その人形劇をベースに独自の発展を遂げたのが人形アニメである。本作はその歴史に名を残す監督たちの歴史を振り返るドキュメンタリーである。日本未公開の作品やメイキングシーンなど貴重な映像を取り入れ、作品への情熱や創意工夫の数々が明かされる。

2008年12月20日より

  • 配給
  • アットアームズ
  • 製作国
  • チェコ(2008)
  • ジャンル
  •  
  • スタッフ・キャスト