オオカミの護符

※本作はドキュメンタリーのためストーリーはありません。

解説

街中で見かける犬が描かれた“護符”のルーツを辿るとともに、古来から受け継がれてきた“お狗さま信仰”と日本人のつながりを探るドキュメンタリー。絶滅したといわれるニホンオオカミの生息地だった関東平野の山地を巡り、農家の人々と触れ合ううちに、“講”と呼ばれる伝統行事と“オオカミの護符”の関連が明かされてゆく。都心からほど近い、川崎市宮前区土橋の古い土蔵の扉に貼られた一枚の護符。この護符には、土地の人が“お狗(いぬ)さま”と呼ぶ獣が描かれている。今や、日本列島の1/3の人々が生活を営み、首都圏として激しく移り変わる関東平野。その“新しい町”の片隅に見かける古い土蔵や家の戸口、畑には、今なおその“護符”が貼られている。“武蔵の国”と呼ばれていた頃から、関東の農民が伝えてきた“御嶽講(みたけこう)”。この行事を取材するうちに、“御嶽講”を通じて護符がもたらされてきたこと、描かれた獣が、その山々で生きたヤマイヌ、ニホンオオカミであることを知る。関東平野を取り巻く山地はかつて、絶滅したといわれるニホンオオカミの一大生息地であった。この山々にある数々の神社が、“オオカミの護符”を発行していた。その背景には、古くから土地に根差して暮らしてきた“山びと”とオオカミの関わりがあった。関東の農民は田畑を耕し、作物を作るだけの存在ではなかった。自らの地域を自らの手で治め、御嶽山をはじめ、大山、筑波山、榛名山など関東を取り巻く山々に“講”を組んで参拝し続けてきた。そこにあるのは、庶民の心が受け継いできた山岳信仰の素朴な姿。命の源である身近な自然を慈しみ、畏れ、敬う。人々の素朴な信心の世界がそこにあった。

2008年10月4日より

  • 配給
  • ささらプロダクション
  • 製作国
  • 日本(2008)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト