東南角部屋二階の女

父親が亡くなり、莫大な借金を背負うことになった会社員の野上(西島秀俊)。彼が返済手段として思いついたのは祖父・友次郎(高橋昌也)が所有する土地の売却だった。古アパートが建つその土地を手放すよう説得する野上だったが、友次郎は首を縦に振らない。先輩の野上が会社を辞めるという噂を耳にした三崎(加瀬亮)。毎日クレーム対応に追われ、目標を失っていた彼は突発的に辞職。だが、恋人のアヤ(大谷英子)はそんな三崎の元を去っていく。低賃金で重労働の日々を送るフリーのフードコーディネーター涼子(竹花梓)。30歳間近にもかかわらず、愛もお金もない生活を送っていた。アパートの更新料すら払う目処が立たず、逃げ道として結婚にすがろうと相談所に駆け込む。だが、見合いに臨んだ涼子の前に現れたのは、借金を抱えて失業寸前の野上だった。こうして、それぞれに事情を抱えた3人が古アパートに住み始める。友次郎を説得したい野上。アヤと別れて住む場所を失った三崎。更新料が払えずに住処を出た涼子。そして、4世帯のアパートには管理者不明で開かずの部屋、201号室があった。友次郎の土地に立つそのアパートの所有者は、近くで居酒屋を営む藤子(香川京子)。彼女は友次郎の弟の許嫁だった。戦争で弟が亡くなったあと、結婚もせず友次郎夫婦とは家族のように付き合ってきた。野上の借金話を耳にした彼女は、覚悟を決めたかのようにアパートの権利書を野上に手渡す。数日後、藤子は3人に留守を任せて友次郎と旅に出てしまう。3人が不器用にきりもりする店を訪れたのは常連のロク(塩見三省)。気持ちよく酔っ払って、失った夢やそこから得たものについて慈しむように語るロクに、3人は惹かれてゆく。深夜。台風がアパートを襲い、強風に煽られた201号室の窓が外れてしまう。様子を見に忍び込んだ3人は、水浸しになったその部屋で意外なものを見つける……。

解説

人生につまづき、古びたアパートに身を寄せることになった3人の若者が、アパートのオーナー達との交流を通じて再生していく様を描く。「Dolls ドールズ」の西島秀俊、「それでもボクはやってない」の加瀬亮に加え、「まあだだよ」で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した大ベテラン香川京子など、実力派俳優が共演。監督は、新人女性監督、池田千尋。

2008年9月20日より

  • 配給
  • トランスフォーマー=ユーロスペース
  • 製作国
  • 日本(2008)
  • ジャンル
  •  
  • スタッフ・キャスト