今夜、列車は走る

アルゼンチンの小さな町。鉄道を中心に栄えたこの町に民営化の波が押しよせ、ある日突然、路線の廃止が言い渡される。組合を代表して交渉にのぞんだのが、アベルの父親のアンヘルだったが、「運命を変えることはできない」と自ら命を絶つ。組合の新たな代表となったアントニオはこのタイミングを逃すと補償金も取れなくなる、と組合員たちに、自主退職を促す。鉄道員仲間のアンヘルの弟、カルロス(ダリオ・グランディネッティ)とブラウリオ(ウリセス・ドゥモンド)、ダニエル(パブロ・ラゴ)、アティリオ(バンド・ビリャミル)、そしてゴメス(オスカル・アレグレ)の5人は、自主退職に反対する意向だった。しかし、周囲の労働者たちは、次々にサインしていく。ブラウリオは、自分の職場である修理工場を守る、自主退職届けにサインはしない、と言い張る。働く妻(メルセデス・モラン)と娘がいるカルロスは、悩みながらも、決心がつかない。ある日、カルロスは、ゴメスがサンドイッチマンをしているのに出くわす。ダニエルは、仕事がなくなって妻との仲もギクシャクしている。子供の治療費が支払えない状況だったことから、自主退職届けにサインする。独り者のアティリオも、何とかタクシーで仕事をしようとするが、偽札を掴まされたりで前途多難だ。鉄道員としての誇りが、失業とともに消えてしまった。なすすべもなく絶望する5人の男たち。そんな中、ゴメスは、ついに犯罪に手を染める。ゴメスとその一味は、スーパーマーケットに強盗に入り、人質をとってろう城。そこで、ガードマンをしていたのは、昔の同僚、ダニエルだった。警察が包囲し、テレビ中継が始まる。アベル、カルロスの娘とそのボーイフレンド、ホアンは、自分たちが話し合ってきたことを、ついに実行に移す時がきた、と動き出す。今夜しかない。鉄道員の家族としての誇りを取り戻すために。「出口は、きっとある」ことを示すために……。

解説

1991年アルゼンチン。激動の時代に翻弄される5人の鉄道員とその家族の姿をユーモアも忘れず、リアルに描いたヒューマンドラマ。監督はニコラス・トゥオッツォ。今作が初めての監督作品となる。出演は、「トーク・トゥ・ハー」のダリオ・グランディネッティ、オスカル・アレグレ(「モーターサイクル・ダイアリーズ」)など。

2008年4月12日より

  • 配給
  • Action Inc
  • 製作国
  • アルゼンチン(2004)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト