非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎

1973年、シカゴ。ヘンリー・ダーガーというひとりの老人が他界し、はじめてその作品群が発見された。何千ページにもおよぶ日記や自伝などの書き物。そして、おそらく世界最長となる15000ページを超える小説と、多くが3メートル以上もある数百枚の絵。しかし、その中に含まれるヘンリー・ダーガー自身の写真は3枚だけだった。周囲の人々が「貧しい普通の老人にしか見えなかった」と口々に語るその男は、“非現実の王国”と名付けられた自分だけの小さな別世界に生きていたのだ。1892年に生まれたダーガーは、母が死んだことも妹が里子に出されたことも記憶になかったが、優しい父と暮らし、絵本や童話が好きで、学校にあがる前から新聞を読むことまでできる優秀な子供だった。しかし、口や鼻やのどを鳴らして奇妙な音を立てることから、他の生徒たちに嫌がられていた。その後、感情障害を示したとされ、イリノイ州リンカーンの知的障害児の保護施設に入れられる。1907年、父が逝去、17歳のダーガーは帰る場所がないにも関わらず、施設からの脱走に成功して260キロの道のりを歩いてシカゴまでやってくる。聖ジョゼフ病院の清掃人の仕事を見つけ、尼僧の宿舎の清掃も担当することになったダーガーは、童話の世界に安らぎを見出し、1909年、生涯続けることになる『非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールズの物語、子供奴隷の反乱に起因するグランデコーアンジェリニアン戦争の嵐の物語』を綴る仕事に着手する。

解説

アウトサイダー・アーティスト、ヘンリー・ダーガーの15000ページを超える小説『非現実の王国で』とその挿絵に込められた謎を炙り出す異色ドキュメンタリー。監督はジェシカ・ユー。ドキュメンタリーと並行して挿入されるアニメーションのナレーターを、「I am Sam アイ・アム・サム」のダコタ・ファニングがつとめる。

2008年3月29日より

  • 配給
  • トルネード・フィルム
  • 製作国
  • アメリカ(2004)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト