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薬指の標本

若さと無防備な空気を持つ21歳の美しい少女イリス(オルガ・キュリレンコ)は炭酸飲料の工場で働いていたが、作業中誤ってイリスは薬指の先を切り落としてしまう。イリスはその事故をきっかけに仕事を辞めて、知人のいない港町へ引っ越した。運河の河岸にひっそりと建つ小さなホテルにたどり着き、夜港で働く船員(スタイプ・エルツェッグ)との相部屋で部屋を借りる。職を探す中、古びた3階建ての建物の扉に“標本作製助手”の求人を見つけベルを鳴らすと、白衣を着た中年の男(マルク・バルベ)が招き入れてくれた。そして、ここは標本を作って保存する特殊なラボで、彼は標本技術士であり、現在助手を探していると説明を受ける。標本技術士の印象的な視線と危うい雰囲気、待遇の良すぎる雇用条件に少しとまどったが、翌日から出勤することとなった。標本は依頼主に返すことなく標本室で保管されるが、いつでも見に来ることができる。しかし、来る者はほとんどおらず、皆思い出から解放されるために封じ込めるという。彼はイリスに、あつらえたようにピッタリの靴を履かせてくれた。いつも履いていてほしいと言って、イリスを歩かせた。次第に、まるで仕組まれていたかのようにイリスは彼に夢中になった。ある日イリスは、自分とそっくりの靴を履いた少女の写真の標本を見つける。近くの223号室の婦人(エディット・スコブ)から、イリスと同年代だったという前任者が地下室へ消えていった話を聞いた。標本室へ戻って写真の標本をあけると、みるみるうちにその写真はただの紙切れになってしまった。イリスは標本技術士に、私もあなたと一緒に地下室に行きたい、体の一部を標本にしてほしいと頼むのだった。

解説

薬指の先端を失った若い女性が奇妙な標本室で働くことになり、標本作製士に夢中になっていくミステリアスなラブストーリー。『妊娠カレンダー』で芥川賞を、『博士の愛した数式』で第一回本屋大賞ならびに第55回読売文学賞を受賞した小川洋子の原作を、「Un samedi di sur la terre」(未)のディアーヌ・ベルトラン監督が映画化。出演は、本作が映画デビュー作であるモデルのオルガ・キュリレンコ、「ナイト・シフト」のマルク・バルベ、「列車に乗った男」のエディット・スコブ。

2006年9月23日より

  • 配給
  • エレファント・ピクチャー
  • 製作国
  • フランス(2004)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト