奇跡の朝

フランスの静かな街にある朝、無数の人の波がゆっくりと流れ込んでくる。直ちに街で起こっている事態の調査に乗り出した行政。そこで判明したことは、街を埋め尽くしている者のほとんどが過去10年以内に死亡した人々で、生前とまったく変わらぬ姿で蘇ってきたということだった。この事態に頭を抱える市長(ヴィクトール・ガリヴィエ)。ふと窓の外に目をやると、亡くなったはずの妻マルタ(カトリーヌ・サミー)が、自分に向かって手を振っている。蘇生者の中に、4年前に夭折した息子のシルヴァンがいないかと、蘇生者収容センターに駆けつけたイシャム(ジャメル・バレク)とヴェロニク(マリー・マテロン)夫妻。愛息のシルヴァンとの再会に、驚きと喜びのあまり、2人は言葉を失ってしまう。ラシェル(ジェラルディン・ペラス)も、2年前、恋人のマチュー(ジョナサン・ザッカイ)を交通事故で亡くしていた。彼女は不安と戸惑いから、マチューの蘇生を確認することができなかった。しかし街中でマチューと出会うラシェル。マチューは、まるで何事もなかったかのように、以前と変わらぬ微笑みでラシェルを見つめている。市議会では、次第に明らかになった蘇生者の実態が報告されている。健康状態は良好だが、低体温、不眠症、失語症、そして彼らは生前使っていた言葉を繰り返しているだけで、言語能力の回復は困難という結論であった。蘇生者との生活に疲れ切っていく近親者たち。そして運命の夜は突然訪れた。前触れもなく、街の各地で相次いで爆発が起こる。それと同時に、一斉に蘇生者たちのグループが街に溢れ出し、どこかへ向かって歩き出していた。愛する者との“永遠の別れ”の時が迫っていた。

解説

フランスの静かな街に生前の姿のまま蘇ってきた蘇生者が流れ込み、彼らの再会と別れを通して、死者と現世に生きる者の決して埋められない空洞と愛する者の喪失を描くヒューマン・ドラマ。監督は本作が長編デビュー作となるロバン・カンピヨ。出演は、「ふたりの5つの分かれ路」のジェラルディン・ペラス、「真夜中のピアニスト」のジョナサン・ザッカイ、「メトロで恋して」のフレデリック・ピエロ。

2006年9月23日より

  • 配給
  • バップ=ロングライド
  • 製作国
  • フランス(2004)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト