子猫をお願い

ソウルから電車で1時間ほどの近郊都市、仁川(インチョン)の女子商業高校を卒業して1年のヘジュ(イ・ヨウォン)、テヒ(ペ・ドゥナ)、ジヨン(オク・ジヨン)、ピリュ(イ・ウンシル)、オンジョ(イ・ウンジュ)。5人は、高校時代を毎日ともに過ごした仲だ。しかし、卒業してから経過した時間とともに、お互いの距離が開き始めているのを感じていた。上昇志向の強いヘジュはソウルの高層ビルにある証券会社に就職。ルックスがよく、職場でも愛嬌を振りまく彼女は男性上司にも気に入られ、女の子が欲しいものはみんな手にしているように見える。それでもヘジュは満足していない。整形手術にも視力回復手術にもトライし、お金は服につぎ込み、新たなチャンスを逃さないようにしている。職場の上司には従順だが、高校時代の友人を前にすると優越感が自然と態度に出てしまう。そんなヘジュと、何かにつけてぶつかりあうことが多くなってきたのは、5人の中でも早くに両親を失い、バラック街で祖父・祖母と暮らすジヨンだった。定職がなく、屋根裏部屋でデザイン画を描きつづけているジヨン。しかしその才能を活かした仕事を見つけることはおろか、就職先を見つけるのにも四苦八苦する中、学生時代は一番仲が良かったヘジュの言動が、いちいち癇に障ってしまう。こんな二人の間で5人の友情を守っていこうとするのは、夢見がちで「どこか違う広い世界に出て行きたい」と切望しているテヒ。彼女は家業を手伝いながら、小児まひの青年詩人の家に通い、彼の口述する詩をタイプに打つというボランティアをしている。それなりに成功している自営業の家に生まれ育った彼女だが、父親のワンマンぶりにイライラを募らせている。そして、中国にルーツを持つ双子のピリュ(イ・ウンシル)とオンジョ(イ・ウンジュ)は、仁川のチャイナ・タウンに暮らし、アクセサリーの露店を出して生計を立てている。ヘジュが20歳になる誕生日。それぞれにプレゼントを買ってパーティに集まることになったが、ジヨンにはそのお金がなかった。そこでジヨンが思いついたプレゼントは、なんと拾った子猫だった。この風変わりなプレゼントをいったんは受け取ったヘジュだったが、ほどなくジヨンを呼び出し、子猫をつき返してしまう。そんなある日、5人が集まって遊んでいる間に、ジヨンの住むバラック建ての家がとうとう自然崩壊してしまう。祖父と祖母を一度に失ってしまった彼女は天涯孤独の身となってしまう。それまで可愛がっていた子猫をテヒに預け、ジヨンは警察からの事情聴取を受けるが、捜査員に逆らい、それが原因で少年保護施設に収容されてしまう。ジヨンにはこれから先のあてもなければ行き場所もない。誰が話しかけても完全黙秘を続けるジヨン。テヒは施設までジヨンを訪ねては話をし、その不安な心を受け止めようとする。やがてジヨンが施設を出所する日がやってくる。子猫をピリュとオンジュに預けて、荷物をまとめたテヒは、施設にジヨンを迎えに行く。

解説

高校を卒業した仲良し5人組の女の子が、不安や悩みを抱えながらそれぞれの生き方を見つけていく姿をみずみずしい感性で描いた青春映画。その年の<韓国女性が 選ぶ最高の韓国映画第1位>に選出され、批評家からは「2001年の韓国映画の最大の収穫」と大絶賛。映画を脚本・監督したのは、本作品で長編デビューとなったチョン・ジェウン。主演は「ほえる犬は噛まない」のペ・ドゥナ。

2004年6月26日より

  • 配給
  • ポニーキャニオン、オフィス・エイト
  • 製作国
  • 韓国(2001)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト