少女ヘジャル

村が襲撃され、両親は殺されて孤児になった5歳のクルド人少女ヘジャル(ディラン・エルチェティン)。同じ村出身のエブドゥ(I・ハック・シェン)に連れられてイスタンブールの親戚に預けられた。しかし、突然武装警官隊がやってきて、銃撃戦の末に親戚一家は皆殺しにされてしまう。そこはクルド人分離独立派の拠点だったのだ。ヘジャルは戸棚に隠れて難を逃れたが、行く場所のないヘジャルは、アパートの隣人の部屋の前にたたずむしかなかった。隣人は75歳の元判事ルファト(シュクラン・ギュンギョル)。妻と死に別れ、一人暮らしをしていた。ルファトはヘジャルを警察に渡そうとするが、様子があまりにも不憫なので、とりあえず家に置くことにした。ルファトはヘジャルがクルド人で、クルド語しか話さないことに戸惑う。さらに家政婦として長年付き合ってきたサキネ(フュスン・デミレル)もクルド人だったことが分かり、驚きを隠せない。ヘジャルはサキネに母親に会いたい、とクルド語で訴えた。ルファトは2人に自分の前ではクルド語で話すなというが、ヘジャルも頑固でクルド語しか使わない。2人は反発しあい、けんかを繰り返す日々。ルファトの隣に住む未亡人のミュゼェイェン(ユルドゥス・ケンテル)は、ルファトに好意を寄せていて「お互いの自由を保ちながらいい関係を」と手紙をよこす。しかし、ルファトにはいい迷惑だった。そんなある日、ルファトはヘジャルのポケットに入っていたメモを頼りに、エブドゥを訪ねていく。そこには故郷を追われたクルド人たちが、狭く汚い場所に固まって暮らしていた。そこにヘジャルを返すことをためらったルファトは、そのまま帰ってくる。それ以来、ルファトはヘジャルに心を開き、着るものも買い与えるのだった。そしてサキネにクルド語を習い、コミュニケーションをとった。ヘジャルも次第になつき始め、トルコ語を覚え始めた。ルファトはヘジャルと暮らそうと決意したが、そこへラジオでヘジャルを預けた親戚が亡くなったことを知ったエブドゥが会いに来るのだった。

解説

言語と文化の壁を越え、心を通わせていく老人と少女の姿を描いたヒューマン・ドラマ。監督は、これが長編劇映画2作目となるトルコ期待の女性監督ハンダン・イペクチ。ヘジャルには、本作が映画デビューとなるディラン・エルチェティン。孤独な生活を送るルファトに、ベテラン俳優シュクラン・ギュンギョル。公開5ヵ月後に上映禁止となり、監督自身も訴えられたといういわくつきの作品。

2004年6月12日より

  • 配給
  • アニープラネット
  • 製作国
  • トルコ(2001)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト