恋人泥棒

ニューヨーク市警察のマイク・ハーモン警部(ロック・ハドソン)は、このところしっくりいっていない妻がバカンスに出かけたあと、マンハッタンのアパートで独り暮らしの味気ない生活を送っていた。ある日、マイクは美しいイタリア娘の訪問を受けて驚いた。エスメラルダ・マリニ(クラウディア・カルディナーレ)である。彼女は今から12年前、マイクがイタリアへマフィアの捜査で出張していたとき何かと世話になったマリニ警視の娘で、当時は12歳の小娘だったが、今は別人のように魅力あふれる娘に成長していた。マリニは早速、訪問の理由を話した。父の死後、彼女は国際的に有名な宝石泥棒のジャッキー・ミッチェルと関わりあうようになり、彼と手を切る約束で、オーストラリアにあるアメリカの富豪フェアチャイルド家の冬季別荘に侵入し、金庫の中の宝石を盗んでしまったというのだ。だが、今ではその大それた盗みを後悔し、フェアチャイルド家の人々が例年どおり別荘にやってくる前に、何とか元の金庫に宝石を戻すのを手伝ってほしい、というのだ。マイクは、ジャッキーを捕えることができるかもしれないと思い、休暇をとってこの奇妙な宝石返しの冒険に、一路オーストラリアへと飛んだ。別荘は電気仕掛けの防犯装置で厳重に警備されていたが、奮闘努力の末、中に忍び込んだ。だがこの作戦はマリニの仕掛けた巧妙な罠だった。彼女がマイクに手渡した宝石は本物そっくりの模造品で、まんまと本物とすりかえてしまった。作戦は成功したものの、いつしか2人は魅せられていた。彼女はたった今盗んだ宝石を見せ、ローマで盗んだと嘘をついた。ローマは2人にとって甘く楽しい場所だった。マイクは妻と離婚することを考え、マリニは、今までの生活を捨てて、マイクと暮らすことを考えた。微妙な心境の2人は口論し、マリニは故郷へ帰るといって外へ飛びだした。その夜、マイクは彼女から教えられた宝石店から、彼女が昼間置いていった宝石を再び盗みだした。そして警察に連絡し、彼女を逮捕させた。ニューヨーク市警からジャッキーを追ってきて、その参考人であるマリニをニューヨークへ護送しようとしているとして彼女の叔父のカミロ警部(グイド・アルベルティ)の承諾を受けた。翌日、2人はローマ空港から飛行機に乗ったが、ニューヨーク行きではなくベイルート行きだった。このとき初めてマリニは、マイクが平凡な生活を捨て、彼女と冒険に満ちた生活に踏みきろうとしていることを悟ったのだ。

解説

敏腕警部と美人泥棒がおりなすラブ・ミステリー。製作はレオ・L・フックス、監督はフランチェスコ・マゼリ、ルイザ・モンタニャーナの原案をフランチェスコ・マゼリとルイザ・モンタニャーナ、ラリー・ゲルバート、バージル・C・レオーネが脚本化した。撮影はアルフィオ・コンティーニ、音楽はエンニオ・モリコーネ、美術はルチアーノ・プッチーノが各々担当。出演はクラウディア・カルディナーレ、ロック・ハドソン、トーマス・ミリアン、レオン・アスキン、ウォルター・ギラー、ピーター・デイン、グイド・アルベルティなど。

1972年12月9日より

  • 配給
  • 東和映画
  • 製作国
  • アメリカ(1968)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト