タンゴ・レッスン

パリ。映画監督サリー(本人)は、ファッション界を舞台にした新作スリラーの脚本に取りかかっていたが、筆は遅々として進まない。気分転換に街に出た彼女は、魅惑的なタンゴの調べに誘われてとある劇場に足を踏み入れた。ステージ上のダンサー、パブロ(本人)の情熱的な動きに心奪われた彼女は、彼に話しかけてレッスンを受けることを承諾させる。〈レッスン1〉パブロのアパルトマンで、初歩的なステップを教わる。〈レッスン2〉脚本の進行ははかばかしくなく、しかも修理のために数週間部屋を開けなければならない。〈レッスン3〉この期間を利用して彼女はブエノスアイレスを訪れ、ダンサーのグスタボ(本人)とファビアン(本人)に会い、手ほどきを受ける。サリーのタンゴ熱は高まっていく。〈レッスン4〉再び訪れたサリーが見違えるほど上達しているのに驚くパブロ。セーヌ河畔を歩きながら、サリーが「どうしてタンゴを選んだの?」と訪ねると、彼は「タンゴが僕を選んだのさ」と答える。二人は再び踊り始める。〈レッスン5〉カフェで、人と人の出会い、運命、神について話し込む二人。共にユダヤ人だと分かった時、二人の間に何かが生まれた。〈レッスン6〉ハリウッドの映画プロデューサーたちとの会見。彼らが脚本に興味を持つにつれて彼女の熱は冷め、映画を断念しようとする。パブロは、苦痛や怒りではなく喜びや愛で創造すべきだと、踊りで伝え、励まそうとする。〈レッスン7〉サリーは二人の関係をもっと縮めたいと思うが、仕事と私生活を混同させて失敗した過去のあるパブロにはそれが不安だった。〈レッスン8〉パブロは二人の間に境界線を引くことを提案。彼と別れたくないサリーは、これを受け入れる。〈レッスン9〉二人で踊る新年のステージに向けて激しいレッスンが始まった。パブロはパートナーとして彼女に完璧を求めるが、彼女はただの恋する女だった。ある夜、彼のかつての女性パートナーと出会ったサリーは激しく嫉妬する。ステージ当日。緊張を抑えて何とか無事に踊りきったサリーをパブロは非難する。二人は互いをなじり、不満を一気に爆発させる。〈レッスン10〉サリーはサン・シュルピス教会のヤコブと天使の壁画の前にいた。そして、パブロに電話をかけて「ヤコブは神とじゃなく、自分自身と戦っていたのかもしれない」と言う。この言葉を聞いたパブロは教会へ駆けつけ、和解の後の新しい関係のために、二人は教会の前の噴水で互いに洗礼を施す。彼の故郷であるブエノスアイレスに向かった二人。サリーはパブロ、グスタボ、ファビアンの3人で映画を作ろうとしていた。〈レッスン11〉ようやく探し当てた古い稽古場で、3人はサリーを囲んで自由に嬉しそうに踊る。〈レッスン12〉パブロは映画のことが気がかりだった。そして、彼は自分とアルゼンチンの距離も感じていた。二人はユダヤ教の教会へと入る。夜、埠頭を散歩する二人。パブロの耳元でサリーは、即興で愛の歌を囁き始める。「あなたはどこから来たの? 一人は一人 二人は一つ あなたと私 私はあなた……」。

解説

タンゴの魅力にとりつかれた女性映画監督と著名なタンゴ・ダンサーの愛の物語。「オルランド」の監督サリー・ポッターが監督・脚本を手掛けて、自身の体験を映画化したもので、彼女は自分自身を演じて主演している。情熱的なラブ・ストーリーであると同時に、タンゴへの熱い思い、そして映画作りについてをも描いた重層的な構造が魅力。製作は「オルランド」のクリストファー・シェパード、モノクローム(パートカラー)の美しい撮影は「奇跡の海」のロビー・ミューラー、音楽はポッターの選曲によりピアソラやガルデルなどタンゴの名曲、名演奏が選ばれている。また、彼女は現代最高のチェリスト、ヨーヨー・マの演奏をバックに主題歌も披露。美術は「私の好きな季節」のカルロス・コンティ、編集のエルベ・シュネー、衣裳のポール・ミンターは「オルランド」に続いての参加。共演・振り付けはタンゴ・ダンサーの若き巨匠パブロ・ヴェロン。

1997年12月13日より

  • 配給
  • 日本ヘラルド映画配給(後援*アルゼンチン大使館)
  • 製作国
  • イギリス フランス(1997)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト