月がとっても青いから

社長の令嬢京子のお供で銀座に出た秋月建設の社員日高雄吉は、夜霧の並木路で物思いに沈んでいる若い女から不幸な身の上話を聞き、再会を約して別れた。その女木谷美奈子は、両親が死んだあと叔父の手元で育てられたが、小山という男の妾になれと強いられているのだった。翌日、雄吉に逢いそびれた美奈子は、思い余って軽井沢の旧友を訪ねたが、その家は他人が住み移転先も判らず途方に暮れていると、朴訥な槙山三平に逢い、槙山牧場に身を寄せた。ところが土地の有力者谷村の息子洋二が美奈子を見染め、貸した金が払えなければ美奈子を嫁によこせと無態な要求をしてきた。そんなある日、社用で出張中の雄吉に再会、雄吉の泊まっている秋月別荘を訪ねた美奈子は、京子に冷たく追い返された。悄然と牧場に戻ると大切な馬がいない。谷村が運び去ったのだ。美奈子は牧場を救うため谷村に会い、洋二と結婚するから牛を返してくれと頼んだ。一方東京に帰る雄吉を、涙で見送った。美奈子はその帰り、洋二の運転するトラックにはねられて重傷を負った京子を、病院へ担ぎ込んだ。美奈子の輸血のおかげで京子の生命はとりとめることが出来た。やがて意識を回復した京子は美奈子の手を固く握りしめて詫び、雄吉と結婚してくれというのだった。かくて谷村の件も解決し、美奈子は三平一家に別れを告げて東京へ帰った。数日後、思い出の並木道を、方をよせた雄吉と美奈子が行く。月の美しい夜のことであった。

解説

雑賀繁明の書いた脚本を「花のゆくえ」の森永健次郎が監督、「うちのおばあちゃん」の山崎安一郎が撮影を担当した。主なる出演者は「白浪若衆 江戸怪盗伝」の南寿美子、中川晴彦、「自分の穴の中で」の明美京子、「美女と怪龍」の殿山泰司、「いろは囃子」の菅井一郎、他にフランキー堺、歌手菅原ツヅ子など。

1955年11月16日より

  • 配給
  • 日活
  • 製作国
  • 日本(1955)
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