実は熟したり

丸の内の東京重工に勤める高庭しのぶはまさに「熟しつつある実」の二十三歳、健康な美人である。今日は三回目の見合いをした。相手の松戸光雄は東大出で食品会社のホープ、しかしどこか物足りない。彼を同僚の桑野典子に配給することにした。前回見合いした坂田は友人の鈴木雅子に譲った。銀座に出ると日向五郎に会った。五郎は以前高庭家の世話をうけた商業デザイナーであった。五郎はモデルのみどりと一緒だった。五郎のライバルである明石慎一に失恋したみどりは五郎に結婚してくれと言った。五郎はいやだった。坂田と雅子の結婚式の帰り、車の中で五郎は岩間社長から娘のひかりを貰ってくれと頼まれた。しのぶの心は動揺した。五郎はしのぶをバーに案内した。明石が入ってきた。しのぶになにかと関心を示す明石を五郎は不快に思った。明石はみどりが自殺を図ったから哀れと思って結婚したらどうかと五郎に言った。五郎が明石をはり倒した時、しのぶは不快には思わなかった。ある朝、しのぶは兄の孝一から好きな人があると打ち明けられた。三つ年上の清原信子だった。会社への道を歩いていたしのぶは同じ課の堀田雪夫に呼び止められ、「立候補」を宣言された。サラリーマンらしからぬ堀田に、しのぶも前から好意は持っていた。しのぶは典子と松戸との会食に堀田を誘った。しのぶは松戸がそこで社長の女風見鳥子に会い、しかも二人が浅からぬ仲であることを目撃した。しのぶは堀田に松戸の調査を頼んだ。孝一と信子の仲は進まなかった。しのぶは信子を励まし、二人の結婚を急いだ。堀田は高庭家のお気に入りだった。しかし、しのぶは五郎の気持をたしかめずに堀田に返事をすることはできなかった。しのぶは五郎のアパートを訪ねた。五郎もしのぶを愛していた。しかし、五郎はしのぶに堀田との結婚をすすめた。悄然とアパートを去るしのぶに堀田が暖かく寄り添った。

解説

読売新聞に連載された源氏鶏太の原作を、「銀座のお姐ちゃん」の白坂依志夫が脚色し、「川向うの白い道」の田中重雄が監督した青春喜劇。「夜の闘魚」の高橋通夫が撮影した。

1959年9月17日より

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  • 日本(1959)
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