群集の中の太陽

城南大学ラグビー部の尾崎、武井、南、大野木の四人は、勝利試合の祝賀会があった料理屋“川清”で、そこの娘洋子を知りお互い彼女に関してはフェア・プレイでいくことを誓った。四人に洋子とその妹雪江、尾崎の妹和子の加わったスキー行をきっかけに、大野木が洋子の心を得、武井と和子、南と雪江がそれぞれ結ばれて、四人は卒業式を迎えた。実業家志望の武井は、昔彼の父に恩をうけた兼村という男をたよって伊豆方面で温泉事業を起したが、大資本の関東開発に売収された兼村のために大失敗した。毎朝新聞記者となっていた尾崎は、関東開発にのりこみ、このことで社長を罵ったことから、大阪に行った武井のあとを追うように大阪転勤を命じられた。経済研究所員となっていた南は結核療養のため故郷飛騨の高山に向った。大野木は宇宙ロケット研究に専心していたが、父を失い破産した洋子は、彼への思いを断って京都に去った。大阪に行った尾崎は、昼は踊りを教え、夜はバーのマダムとして働く洋子を訪ね、さらに武井を探した。武井は敗惨の身をヒロポンにもちくずし、バンドのトランペットを吹いていた。社会探訪で麻薬ルートを追って、武井を発見した尾崎は、郷里で今は僻地教育にうちこんでいる南の詩を、彼に作曲するようすすめたが、武井は権堂一味の麻薬ルートを尾崎に教えて姿を消した。この特ダネのため一味は捕えられた。しかしリンチにあった武井は失明した。権堂を殴った尾崎は、武井の眼となると誓う妹和子や、今は再び結びついた大野木と洋子、そして南と雪江という三組の人達の結びつきをあとに、せまい日本を離れてブラジルに行くことを決意した。朝もやの波止場をあとに、尾崎の船は出航する。六人を代表する大野木と、涙にうるむ洋子の眼が、遠ざかる尾崎の姿を見送った。

解説

「旋風家族」の共同執筆者・池田一朗と井上梅次の脚本を「嵐を呼ぶ友情」の井上梅次が監督した青春ドラマ。撮影も「嵐を呼ぶ友情」の高村倉太郎。

1959年3月18日より

  • 配給
  • 日活
  • 製作国
  • 日本(1959)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト