満月かぐら太鼓

幕末。祭り近い平和な西山村。祭りをあてこむ旅芸人ややくざの群が流れ込んで、前景気をあおっている。そのなかに道中笠・旅合羽の一人のやくざ、実は勤皇の志士高遠新太郎がいる。その頃、村人たちは御用米を代官邸にとどける途中、土地の悪ボス伴五郎の身内に襲われ、血と汗の結晶である御用米を奪われるという事件が起った。これは、勤皇薩長との戦いに農民をかり出そうとたくらむ悪代官皆川将監が、伴五郎を手先に使って仕組んだ事件で、御用米を奪ってしまえば、村人たちは身体で年貢を納めに来るにちがいないからである。伴五郎一味が奪った米を焼き捨てようとしたとき、新太郎が現れて一味の者を追いはらい、どこかへ姿をかくした。一方、代官の下役人望月仁之助はひそかに勤皇の志をいだき、村人をさいなむ代官の所業に心をいためていた。そのうえ代官は、江戸から迎えた目付役を接待するため、仁之助の妹で美しい綾をつれ出そうと計った。だが危いところへ新太郎が現れ、役人たちを斬り倒して仁之助と綾を逃した。仁之助は、勤皇の志士と名のるやくざ姿の新太郎に感謝し、いまこそ農民たちにすべての真相を伝えねばならぬと考えた。−−最後の御用米をそろえる村人。それをまたしても奪おうと身内を待機させる伴五郎。村には不穏な空気がみなぎり、祭りどころではない。新太郎・仁之助の二人は危険をおかして庄屋の清兵衛に事の真相をつげた。村人たちは立ちあがった。それを知った代官と伴五郎の一党は、庄屋の家へなだれ込んだが、新太郎・仁之助に倒された。新太郎は、途中の森に待ちうける代官皆川将監をも一刀のもとに斬り倒した。−−やがて祭りの日。平和のよみがえった西山村に、かぐら太鼓の音がひびき渡った。

解説

ローカル色豊かな村祭りを背景に、里見浩太郎がノドをふるう娯楽時代劇。「血汐笛」の結束信二のオリジナル・シナリオを「唄祭り三人旅」の内出好吉が監督し、同じく「唄祭り三人旅」の松井鴻が撮影した。「新選組(1958)」の里見浩太郎、「大岡政談 幽霊八十八夜」の尾上鯉之助・花園ひろみらの若手スターが主演する。

1958年9月3日より

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  • 製作国
  • 日本(1958)
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