火の玉奉行

−−島津、黒田、鍋島の各藩主の署名血判のついた、江戸城抜穴の図面があった。それをタネに、京都二条城御在番塩谷遠江守、鎌沢因幡守の二人が各藩から金品をゆすっているという。北町奉行遠山左衛門尉景晋は二人を取調べたが、偽造らしき証拠の品が届かず、取調不充分のかどで、役目御免となった。その子金四郎は物好きに長屋で住むが、訪ねてみると貼紙が一枚。「江戸の春も飽きて候。依って当分、旅につき、留守。金」−−金さんは京都に現れ、祇園の茶屋一力の娘お景をチンピラやくざから救ったのが縁で、そこの板前として働いていた。一力で毎夜宴をはるのが、例の塩谷、鎌沢らしいのだ。金さんは東海道で知り合った弥三郎という男と協力していた。金さんは情報を得るたびに、鳩を江戸へ向けて飛ばした。塩谷らは西陣の絵師前田柴山の家に出入りした。柴山は偽造図面を描き上げたとき、一味の手裏剣に倒れた。それは二条城で左衛門尉方の隠密が刺されたものと同じだった。柴山の図面は骨トウ商伊吹屋の手に渡ったが、それが古めかしく仕上げられたとき、伊吹屋も殺された。刺客たちは京都所司代牧田備前守の別邸へ消えた。金さんはこれらすべてを目撃した。彼を追い廻すのは、鉄火芸者のお半である。備前守は鳥取池田相模守を招き、図面をタネに一万両をゆすろうとした。容易に応じぬ相模守を狙った銃口は、突然現れた舞台の黒衣にさまたげられた。それは金さんだった。−−所司代邸に、相模守の名代と称する大徳寺の住職が現れた。図面と引換えに一万両を渡すことを相模守が承諾したと告げた。が、そのとき本ものの使いが到着し、ニセ者と判った。−−金さんである。彼はユスリの確証を握ったのだ。そのとき絵図面を盗みとった弥三郎と共に、邸から消えてしまった。−−所司代の白州で裁判が開かれた。証拠の品々が提出された。最後に、弥三郎こと島津藩士南川三四郎の手に入れた偽図面がキメ手となり、備前守、塩谷らは刑に服した。−−金さんは相模守らや、お半、お景らが見送るなかを江戸へ向って出発した。“遠山桜”が満開である……。

解説

陣出達朗の原作を、「葵秘帖」の結束信二が脚色、「はやぶさ奉行」の深田金之助が監督、「旅笠道中」の吉田貞次が撮影した遠山金四郎もの。主演は「大菩薩峠 第二部(1958)」の片岡千恵蔵、「恋愛自由型」の江原真二郎、「夜の鼓」の雪代敬子。ほかに浦里はるみ、植木千恵、月形龍之介など。色彩は東映カラー。

1958年5月12日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1958)
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