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悪徳(1958)

安サラリーマンの生活に飽き飽きしている岩瀬七郎は、一念発起して社長の加治壮輔に、もっと生甲斐のある仕事をくれと頼んだ。岩瀬を見込んだ加治は、銀座のバー・クレイヴの貸金の取立を理由に、店の乗っとりを命じた。張りきる岩瀬の荒療治が功を奏し乗取りに成功した。その上加治の裏面を嗅ぎつけた。加治は表面は華族出の美しい阿津子夫人や娘のまさみと、幸福な家庭を営む紳士だが、背後では配下の深見や榊原を使い合法面すれすれにあくどい利益をむさぼる、稀代の悪徳漢だった。岩瀬は第二、第三の悪徳事業に足を踏み入れた。大会社「桜ミシン」の乗っ取り。更には恋人京子の父尾坂の依頼による一千万円の融通手形の詐取。野心に燃える岩瀬には、京子も未来の父尾坂も何ものでもなかった。しかし、調子にのった岩瀬もついにつまずいた。融通手形の買戻し、サルベージに失敗し、金策がつかなくなった。非情な加治は、岩瀬の弁解もきかず、凄惨なりンチを加えた。岩瀬は憎悪と復讐の鉾先を阿津子に向け、良人加治の悪の姿をみせつけた。悲嘆にくれる彼女に、岩瀬は執拗に迫るのだった。その頃、融通手形の行方を追う尾坂は、そのために加治一派の手で殺されてしまった。事件の真相を知った京子は、岩瀬に対する復讐を思いたち、岩瀬と阿津子のいきさつを加治に告げた。動揺と憤怒に悩む加治は、唯一つの心の支え阿津子にすべをを告白し許しを乞うた。絶望にひしがれた彼女は、もう二度と彼のもとには帰らなかった。全身殺意にみちた加治は岩瀬を五色沼におびきよせ殺した。しかし加治もまた、配下の深見らに殺人を理由に詰めよられ、偽装自殺を強いられてしまった。氷の張った冷い湖水に、岩瀬と加治の屍体が寒々と浮んでいた。

解説

船山馨の原作を、「黒い花粉」の猪俣勝人が脚色、「夜の鴎」の佐分利信が監督、木塚誠一が撮影した社会劇。「地上」の佐分利信が自ら出演するほか、「青い山脈 (前篇)(1957)」の水谷良重、「純愛物語」の木村功、大塚道子、福田妙子、三津田健といった異色キャスト。

1958年2月19日より

  • 配給
  • 大映
  • 製作国
  • 日本(1958)
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