鞍馬天狗 御用盗異聞

幕府は既に大政奉還と決していたが、松平主税之介を筆頭とする過激派がこれを快しとせず薩長勢と対立していた。折も折、薩摩藩の御用盗と称して江戸市中を荒し廻る一団を指揮するために京の鞍馬天狗が江戸に入るとの報に過激派は色めき立った。この頃、柳橋の待合の一室で戦争商人西国屋紋兵衛が界隈一の売れっ妓粂次姉さんを口説いていたが、彼女には他に死ぬ程惚れた人がいた。いつか川崎大師に詣でた時にぶつかった危難を救ってくれ、名も告げずに立去った男、彼こそ鞍馬天狗であった。一方、御用盗は江戸の秩序を乱し、幕府の威光を下げようというのがその目的であった。だが未だ暴れ足りぬ思いで、江戸市中を一気に火の海にせんと気勢をあげているところへ鞍馬天狗が現われ一同をなだめた。江戸に姿を現わした鞍馬天狗は、杉作少年が彼の身を案じ、単身探しに出かけたまま伝馬町の牢に捕われていることを知り、敢然群敵をなぎ倒し救い出した。このため捕手に追われ、乞食姿に扮したが偶然粂次と出会い、大喜びの彼女のもてなしを受けた。その時、待合の女将に案内されて、彼女の家に松平主税之介、西国屋紋兵衛がやって来た。突嗟に鞍馬天狗は押し入れに身をひそめたが、そこで彼は、幕府が薩長と戦う武器弾薬を、オロシヤから買入れて、その代償に蝦夷の港を与えようとしていることを聞き愕然とした。紋兵衛と火薬取引のために松平下屋敷に行った主税之介を追った鞍馬天狗は、そこに日本を崩壊の危機に追込むおびただしい武器弾薬を発見した。主税之介、紋兵衛と鞍馬天狗はそのぼう大な武器の前で対決した。売国の商人紋兵衛をなじる鞍馬天狗。と主税之介の銃口が轟然と火を吐いた。だが、間一髪、天狗の銃口が機先を制した。この時、突然大爆発。主税之介の手もと狂った銃弾が弾薬に命中したのだ。日本を破壊に導く武器弾薬はかくて一瞬にして消え去った。

解説

大佛次郎原作の映画化で東千代之介主演「鞍馬天狗」シリーズの第三篇。スタッフは前作「鞍馬天狗 角兵衛獅子(1951)」と変らず、配役も主演の東千代之介、日吉としやす、千原しのぶ、と同じである。

1957年5月12日より

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  • 日本(1957)
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