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侍ニッポン 新納鶴千代

新納鶴千代は大老井伊直弼の隠し子であったが、元芸者ゆえに身を引いた母の由美の許で、何も知らずに美しく成長した。一刀流久木龍雲斎の門下にあっては同門佐野鉄之助と共に竜虎と謳われる彼には、加賀前田藩のお馬廻り役吉村左馬之助の娘八重という恋人があった。鉄之助達が幕吏の目を盗んで政権転覆の策動に奔走している時、鶴千代は八重との逢う瀬を楽しんでいた。由美はろ組の頭政五郎を通じて、直弼に鶴千代の成長を報告していたが、二人の仲には直弼も同意であった。だが格式高い吉村家では鶴千代に両親が揃っていないからという理由で縁談を拒絶した。この理不尽な言分に何故か反駁しようとせぬ由美の態度に、鶴千代は初めて或る秘密に気づき母への不信を抱いた。八重が俄かに他家へ嫁ぎ去ってから、鶴千代の行状は荒み師龍雲斎からも破門の宣告を受けたが、その夜八重に瓜二つの芸者吉次を見染め、二人は急速に親しくなった。由美は秘密の一端を明かして吉次との仲を諫めたが鶴千代は聞き入れなかった。鉄之助等の暗策は機熟し、或る日鶴千代は井伊大老暗殺の秘策を明かされた。断れば吉次との仲を裂かれる故に鶴千代は同志となるが、三月三日決行の日が来た時、少しも意志のない彼は一行に加ることが出来なかった。一人残った彼の許に、由美からの意外な報を吉次が伝えた。直弼こそ実の父と知った鶴千代は直ちに桜田門へ駈けつけた。後を追った吉次が見たものは、折り重なって斃れている直弼、鶴千代父子の姿であった。

解説

郡司次郎正の小説の再映画化で、「紅孔雀 五部作」の小川正が脚本を書き「変化大名 前・後篇」の佐々木康が監督した。撮影は同じく「変化大名 前・後篇」の松井鴻、音楽は「紅孔雀 五部作」の高橋半が当った。出演者は「勢ぞろい 喧嘩若衆」の東千代之介、関西歌舞伎の坂東簑助、「隼の魔王」の田代百合子、「泥だらけの青春」の高杉早苗のほか加賀邦男、原健策等である。

1955年03月13日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1955)
  • ジャンル
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