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まごころの花ひらく 女給

協和商事の事務員伊藤順子は、同じ職場の青年社員石井との結婚資金を溜めるのが目的で、銀座裏のバー・クエルに女給アルバイトで出る様になった。石井は結婚をあせって再三クエルに姿を現わしたが、貧しい生活を嫌う順子はそれに応ずる気配を見せなかった。其処に来る土地興業の社長岩倉は、事業上の取引相手である開発局課長榊原のために、順子の若い肉体を提供しようと秘かに企らんだ。バーの古参株の女給の澄江は、亡夫の遺児和夫への母情に、身を固く持して働いていたが、ある日偶然再会した亡夫の親友杉浦に、妻静代との家庭ある男と知りつつも、段々と強く愛し合う気持を制することができなかった。一方、一日順子をドライヴに誘い出した岩倉は、老練な手管で順子の身体の純潔を奮ってしまう。而も更に進んで、汚された肉体を通じて男と闘う決意をした順子を、榊原に与えてしまうのであった。クリスマスイヴの夜、順子の媚態にすべてを知った石井は、絶望と怒りの言葉を捨てて去った。背徳を怖れつつも遺る方ない恋に身をまかせる澄江も、杉浦との逢瀬にふけっていた。その頃、榊原は岩倉との汚職で捕われたが、岩倉は意外に早く保釈になった。澄江のところを訪ねてきた杉浦は、北海道へ転勤すると云ったが、彼の偽らぬ告白により、澄江は彼が澄江のために公金を費消して自首して出ようとする意志であることを知った。杉浦を救うために、その夜澄江は岩倉に身をまかせ、その代償を杉浦に送りとどけた。そして束の間の恋もクエルの生活をも捨て去って、和夫と二人の生活に戻った。だが銀座のネオンは今日も変らず、歓楽の世界に汚れた酒盃を取る順子の姿が見られた。

解説

「悪の愉しさ」と同じスタッフで、猪俣勝人が脚本を書き、千葉泰樹が監督、西川庄衛が撮影に当る。音楽は「恋化粧」の仁木他喜雄である。出演者も「悪の愉しさ」の顔ぶれが多く、杉葉子(月は上りぬ)、伊藤久哉、森雅之(浮雲)、星美智子(喧嘩若衆)、日野明子(石松と女石松)などのほか、「恋化粧」の越路吹雪、「石松と女石松」の徳大寺伸などである。

1955年2月20日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1955)
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