満月三十石船

維新の黎明を前に、淀川べり伏見の船宿寺田屋の女将おとせは男勝りな気性と、勤王の志士を何くれとなく世話をするので知られていた。亭主伊助は、極道者で家を外にし、養女お春は、安政の大獄で獄死した勤王の医者楢崎将策の娘。その想いを深く坂本龍馬に寄せていた。龍馬はその頃上洛、長州の桂小五郎と会って薩長の提携を画していたが、新選組はその龍馬を捕えようと追いまわしていた。おとせの使いで京へ出たお春は加茂川原で龍馬に出会うが、追って来た新選組のため、あっけなく別れた。その翌日三十石船で寺田屋へ着いた客、桂春団治という噺家は龍馬と生写しのため、龍馬召捕りの奉行所の役人に連れて行かれ、真物はおとせの機転で無理にお春と一緒に寝させて難をのがれた。春団治が身代りに奉行所へ曳かれていっている間におとせは春団治の着物を着た龍馬とお春を一緒に三十石船で立たせてやった。やっと身の明しを立てた春団治は、こんどは龍馬の置いて行った着物を着て不平たらたら次の船で立って行った。

解説

企画は「最後の顔役(1952)」の柳川武夫、脚本は「天草秘聞 南蛮頭巾」で木下藤吉と共にシナリオを書いた吉村公三郎。監督には同じく丸根賛太郎が当っている。撮影は東映の新人杉田正二。主演者は「すっ飛び駕」の河津清三郎と「現代人」の山田五十鈴で、花菱アチャコ、岸旗江、広沢虎造、飯田蝶子、祇園の芸妓美代子の特別出演のほか、東映の助演陣である。

1952年9月10日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1952)
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