街に出た野獣

小菅刑務所から殺人犯宮地和雄と坂下周吉の二人が脱走した。彼等は東京近郊で雑貨屋の夫婦を殺害し、通りかかった魚屋の買出し用軽トラックを襲って運転手を殺し車をうばって逃走した。翌朝魚河岸で死体と軽トラックが発見され、大騒ぎとなった。警視庁の青年刑事中尾慎一は、恋人雪子と行くはずだったスキー旅行を中止して捜査本部に急行した。彼と松田刑事は、宮地と坂下の前歴を洗い、宮地の情婦奈美をさがすことから仕事をはじめた。バーやキャバレーを足を棒にしてさぐった末、新宿のクラブ・クローネで奈美がみどりという名で働いているのをつきとめ、やっと中尾は恋人雪子におわびの電話をかけた。ところが、中尾が電話をかけている間に、奈美は何者かにつれ去られ、翌日彼女は惨殺死体となって発見された。野獣と化した二人の犯人はさらに銀行の現金輸送車を襲って運転手と銀行員を殺した。老練な太田刑事にやさしくなぐさめられながら、中尾は活躍を続けた。その頃、宮地と坂下の二人は国外高飛びがうまくいかず、あせっていた。ある夜、駐車場の車の中にひそんでいた二人は、パトロールの警官に怪しまれ、警官を車輪にかけて逃走した。姿を現した脱獄囚を追って、非常線がひかれた。捜査網はジリジリとせばめられ、隅田川にかかるある橋を中心にしぼられていった。静かなあたりにこだまして一発の銃声がひびき、近くのアパートで売春婦の死体が発見された。宮地らはMPのジープをうばって逃走を計った。拳銃を射ちながら逃げる二人を、パトカーや、二人に殺された運転手の同僚が運転する定期便トラックなどが追跡した。そして中尾の冷静な狙いがはなった一弾は坂下を倒し、次に追いつめられて非常階段にとりついた宮地を地上に落下させた。中尾の夜光腕時計は三時三十三分を指していた。

解説

森川哲郎の「東京拳銃街」を、「人形の歌」の寺田信義が脚色し、新人第一回の山内亮一が監督したもので、二人の脱獄囚と刑事との葛藤を描いたアクション・ドラマ。「男が命を賭ける時」の岩佐一泉が撮影した。

1960年1月27日より

  • 配給
  • 日活
  • 製作国
  • 日本(1960)
  • ジャンル
  •  
  • スタッフ・キャスト