恋を掏った女

大阪の星野財閥のお嬢さん・令子が家出した。探した人には三十万円くれるという。毎朝新聞記者伊吹ロクさんは、呑ん兵衛のひとり者だが、北里マリという恋人がいる。同じ社のカメラマンだ。ロクさんが出勤の途中、見とれていた美人が、どうやら令子嬢らしかった。マリはおカンムリである。金が手に入るかも知れぬのには不足はないのだが。親日米婦人が真珠のネックレスをすり取られた。犯人は顎に傷のある若い男らしい。その取材の帰り、ロクさんは例の令子がスリの嫌疑をかけられているのを救った。お嬢さんが名前も年令も巡査に言いたがらぬのを、早合点したのだ。彼は彼女を喫茶店B・Bにあずけ、顎に傷のあるスリのことを警察で調べた。山口政吉。十九才。それはともかく、ロクさんは三十万円など、どうでもよくなり、むしろ令子の家出の原因を究明して彼女の“心の病”を治してやろうと思い始めた。つまり、彼は彼女にヨロメイたのだ。マリちゃんは憤然とした。ロクさんは令子をコンコンとさとし、挙句は彼女とダンスホールをつきあった。酔った令子がボーイに突き当って酒で衣服を汚したので、ロクさんは彼女を東洋ホテルに連れて行った。彼女が大阪へ帰るまでお守りをしてやるつもりだ。マリちゃんは益々憤然としたのであった。東洋ホテルに大阪の星野の探偵がやってきたが、ロクさんの機転で撃退された。“B・B”に例のスリらしき若い男がやってき、張っていた刑事に捕った。彼は真珠の首飾りは姉さんが持っているといった。はやてのお銀のことだ。が、彼女の行方は知れなかった。ロクさんは令子を説得し、その日の晩に帰ることにさせた。令子は前日のナイトクラブでもう一度あってと言った。ロクさんは社で大阪の令子嬢がその昼無事帰ったと知らされた。が、ロクさんがナイトクラブに行くと、令子が待っていた。しかも、その胸には真珠の首飾りが−−。お銀が令子と間違えられていたのだ。彼女は打ち明けるつもりでそこへ来たのだ。すでに警察にも自分で電話してあった。ロクさんはお銀と前夜のように抱きあって踊った。−−首飾りは米婦人の手に戻った。ロクさんはマリちゃんの手に。彼女はお銀を気の毒がり、ロクさんに今夜だけは飲んでいいと寛大であった。

解説

KRTVの連続放送劇「特ダネを逃すな」の映画化で、原作者長谷川公之が自ら脚本化し、「十七才の断崖」の原田治夫が監督、宗川信夫が撮影した明朗スリラー。出演は「猫は知っていた」の石井竜一、金田一敦子に、叶順子、見明凡太朗など。

1958年6月22日より

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  • 製作国
  • 日本(1958)
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