秘帳 女浮世草紙

徳川五代将軍綱吉の頃。幕府は農民に過酷な年貢を課し、そのために貧乏百姓は女房、娘も手ばなさなければならない状態だった。若い農夫庄吉の恋人とよも売られた娘の一人だった。たまたま絵ごころのある庄吉は、とよを救い出すためと、悲惨な百姓の生活から脱け出すため、絵師になろうと決心して家を出た。とよを助け出した庄吉は、しかし追手に捕まりとよを奪い返されてしまったのだった。間もなく庄吉は高名な絵師菊川大泉に拾われ、内弟子として住込むことになった。大泉は中風のため不能で、そのため妻のちせは次第に若い庄吉に心を寄せるようになった。それを知った大泉は庄吉にあたりららした。ある日庄吉は湯屋の主人加助と知りあい美人画はもうはやらない、と言われた。加助は庄吉に、のぞき窓から女湯をのぞかせた。それ以来、庄吉は春画をかくようになった。大泉はちせの反対を押し切って庄吉を破門した。仕事場を失った庄吉は、一層、男女の痴態を描くようになった。庄吉の描いた絵は、加助を通じて僧寿海の手に渡っていた。寿海は寛永寺の住職の席を狙って、お上の御機嫌うかがいに春画を贈っていたのだ。そのころとよが庄吉を訪ねて来た。庄吉の描く女の顔が、とよに似ていたことが分ったのだ。事情を知った加肋は、とよを茶屋から身受けし庄吉と一緒にさせた。しかし、庄吉は心ならずも筆をまげたことから自分を恥じ、とよを抱こうとはしなかった。そんなとき春画ルートに大がかりな手がまわった。庄吉の描いた女たかは、将軍御令室のまわし者だったのだ。それ以来、庄吉は消息を絶った。令室に仕えるようになったとよはその後庄吉らしい若い旅の僧を見かけたが、その僧は二度と姿を現わさなかった。

解説

「無頼非情」の山崎巌がシナリオを執筆し、小川欽也が構成を担当、「残侠無情」の井田探が監督した時代風俗もの。撮影は門口友也。

1968年10月19日より

  • 配給
  • 日活
  • 製作国
  • 日本(1968)
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