夜のひとで

平凡なデパートガールだった雅子は京都の素封家柿崎の後妻になった。老人の柿崎は彼女を娘のように愛してくれ、彼の娘千賀子も彼女を姉のように慕った。雅子は若いが貞淑な妻として平穏に日々を送った。三年後、柿崎が急逝した。雅子は婚約を結んでいた千賀子と堀川に柿崎家を継いで貰おうと考えていたのだが、ある日、堀川から愛を告白された。戸惑いながらも雅子は彼をたしなめたが、堀川の愛はつのるばかりだった。それから間もなく茶道教授として上京した雅子は、写真家でプレイボーイの佐伯と知りあい、その巧妙な口説に一夜をともにした。雅子はその夜初めて女の歓びを知った。それ以来、雅子は佐伯との情事に溺れていった。しかし、雅子の美貌と肉体だけが目的の佐伯は、雅子を騙して外国人と寝させるということを平気でやった。そんなとき、堀川は千賀子との婚約を破棄したが、柿崎家の後見人北山は、雅子の不行跡を知り、激しく詰問した。雅子は自ら招いた不名誉の責任をとって、やがて柿崎家を去り、東京に向った。東京のあるクラブでホステスとなった雅子は、別人のように変っていた。彼女の後を追ってきた堀川は、雅子の変りように驚いたが、その夜、二人はホテルの一室で抱き合った。雅子にとってそれは真実の愛だった。しかし、そこへ現われた佐伯は堀川に向って、彼女が幾人もの男と寝ていることを暴露した。絶望に駆られた雅子は無意識のうちに握っていたアイスピックを、無我夢中で佐伯の身体に突きたてていた。その直後、堀川と雅子の二人は車で三浦岬に向った。雅子は堀川には逃げようと言ったものの、秘かに死を決意していたのだ。車が断崖のハイウェーにさしかかったとき、ハンドルを握っていた雅子は、車もろともガードレールを突き破り、海中へ落ちて行った。

解説

「みんなわが子」の植草圭之助がシナリオを執筆し、「日没前に愛して」の長谷和夫が監督した女性もの。撮影は「宇宙大怪獣 ギララ」の平瀬静雄。

1967年9月2日より

  • 配給
  • 松竹
  • 製作国
  • 日本(1967)
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