網走番外地 悪への挑戦

橘真一は流れ者の気軽さから、誘われるまま鬼寅のいる九州に来たが、博多港に着いた時、猟銃を手に警官隊を手こずらせているイキがった少年たちを取り押さえた。そのため、不良少年たちの憧れのまとになって橘は苦り切ったが、鬼寅が病気で倒れた友人に代って不良少年保護施設で働いていることが分ると、その仕事を手伝うことになった。ある日かつて暴力団門馬組の手先だった武が施設を脱け出し、故郷の若松に向った。後を追った橘は、武の家で母に重労働を押しつけ昼間から酒を浴びる義父に怒りをたたきつける武を見て、かつての自分を思い出すのだった。同じ生いたちから共感しあった橘と武は義兄弟の契りを結び、堅気になってしっかり生きていこうと約束した。鬼寅の世話で、武は人形工場に就職した。しかし、ライバルの港組組長を亡き者にしようとする門馬組は、武にその殺しをやらせようと、誘い出したのだ。武はそれを拒み、悽惨なリンチを受けた。その頃、施設の不良少年一郎は、門馬組の川上と計って、施設に働く春子を犯した。春子は絶望して阿蘇山に向い、火口に身を投げようとしたが駆けつけた橘に救われた。やがて始った博多祇園祭の夜、門馬組の客人衆木は、組の汚ないヤリ口に怒って武を助けようとしたが門馬に射殺され、また一郎が港組組長を襲って逆にとり押さえられた。事のすべてを知った橘は、急いで門馬組に駆けつけ瀕死の武を発見した。堅気となる約束を守った武は橘の腕に抱かれて死んでいった。怒った橘は、白鞘の長脇差を抜くと、山笠祭りのまっただ中で門馬を斬った。このニュースが施設に伝わると、少年たちは橘を英雄のように賞めたたえた。心を曇らせた鬼寅は、自首した橘に醜態を演じてくれと頼んだ。橘は手錠をかけられると、「助けてくれ、つかまるのは厭だ!」と喚きながら、警察に連行されていった。そんな彼の姿に、少年たちは失望の声をもらすのだった。

解説

伊藤一の原案より「網走番外地 決闘零下30度」の石井輝男が、脚本・監督を担当した“網走番外地”シリーズ第九作目。撮影は「決着(おとしまえ)」の稲田喜一。

1967年8月12日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1967)
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  • スタッフ・キャスト