女たちの庭

日本橋で立派なのれんを誇る菊丸織物の当主・石塚宗一郎には、妻綾子との間に、初子、悠子、いずみの三女がいる。初子は跡取りとして芳男を婿に迎え、両親は悠子の結婚相手を見つけようとしていた。そんなある日、宗一郎の学友古沢が、やはり学友で九州伊万里に住む陶芸家の真山が、ガンで長くなさそうだという噂をもってやって来た。話は真山が親代りに学費をみてやり、東大を卒業させた加川という青年がした。それを聞いた綾子は何故か、よそめにも不思議なほどふさぎこんだ。だが、宗一郎と古沢は加川と悠子を一緒にさせようと、何かと世話をやくのだった。しかし、向っ気の強い次女的性格丸出しの悠子は、そのお膳立てが気に喰わず加川を憎からず思いながらも、逆に反発してしまうのだった。すでに結婚している、親友の康子のすすめも効を奏しなかった。喜んだのは末っ子でおきゃんないずみで、さかんに加川につきまとった。そんな折に、九州から真山が死んだという知らせが届き、叔母紀子に引きとられた、真山の一人娘みふゆから亡父の遺品として見事なヒスイが、いずみに送られて来た。いずみにとっては、真山という人は一面識もなかった。それを知った綾子は、真青になり伊東の別荘へ一人で旅だった。いずみの疑問は深まった。母の不思議な態度と、どうしてこんなものが送られて来たのか、いずみはみんなに内証で、単身九州へ向った。真山の家は古風なつくり酒屋で真山の妹紀子と母なかが家事一切をとりしきっていた。いずみとみふゆは驚くほど似ており、名前も二人とも平かなであった。真山の書斎に入った時、壁にかかっているフランス刺繍をみて、いずみは、自分が真山の子であることを知った。それは母が編んだものであった。いずみは皆にかんたいされて東京に帰った。いずみは宗一郎に散々叱られた。そして伊東へ母を迎えに行く役目を言いつかった。伊東についたいずみは母に自分が出生の秘密を知ったことを告げた。びっくりする綾子に、いずみは何のくったくもない明るい顔で、“お母さんは何も言わなくていいの、私ももう言いません。これっきり……。だからお母さんも言っちゃだめ”と母を慰めるのだった。日が進んで加山は東南アジアにダムの仕事で出発することになった。それを見送る悠子はなぜか淋しそうだった。

解説

「赤ひげ」の井手雅人と永井素夫が共同でシナリオを執筆し、「あゝ君が愛」の野村芳太郎が監督した女性もの。撮影はコンビの川又昂。

1967年7月19日より

  • 配給
  • 松竹
  • 製作国
  • 日本(1967)
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