男涙の破門状

大正中期。大阪の遊廓で十一人を斬り、六年の刑に服していた海音寺一家の直治が出所してみると、弟分の銀三が破門されていた。直治の幼馴染の伊之助が、全国の親分衆から集めた、住吉神社へ寄進する花金を奪って九州へ逃亡したため、銀三は持前の義侠心から直治に迷惑をかけまいと、伊之助の罪を被って姿を消したのだ。その上、銀三と恋仲だった海音寺親分の娘おふみも出奔した。直治は事の真相を確かめ、銀三を連れ戻すべく九州に向った。一方、銀三は岡崎組の炭坑に身を潜めていたが破門の一件がばれ、袋叩きにあった。岡崎組とは炭坑払い下げの入札をめぐって対立していた財前一家は、廻状持ちの銀三を雇った岡崎を陥れようと狙っていた。銀三に会った直治は、彼の潔白を証明するため、一日も早く伊之助を探すため奔走するのだった。ある日、チンピラにからまれていた料亭“おふじ”の女将お勇を救った直治は、はからずもそこで伊之助と再会した。伊之助は財前一家に出入りしていたのだが、お勇は伊之助の姉だったのである。直治の説得で、銀三の身の証しを立てるため大阪へ戻ることを約束した。しかし、伊之助の裏切りで岡崎親分闇討ちに失敗し、その上、炭坑入札にも負けた財前は伊之助をなぶり殺しにした。また財前が岡崎の炭坑に仕掛けたダイナマイトが爆発し、怒った直治は行手をさえぎる死神の音松を倒すと、財前一家に殴り込んだ。一方爆発で生き埋めになった岡崎親分を助け出した銀三は重傷を負い、財前を倒して駆け戻った直治の腕の中で静かに息を引きとった。その顔には仁侠精神を貫いた満足気な微笑が浮んでいた。

解説

「兄弟仁義 続・関東三兄弟」の村尾昭がシナリオを執筆しコンビの山下耕作が監督したやくざもの。撮影は「博奕打ち 一匹竜」のわし尾元也。

1967年6月17日より

  • 配給
  • 東映
  • 製作国
  • 日本(1967)
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