ゴメスの名はゴメス 流砂

石油会社の技師坂本は二年間の砂漠暮しを終えて帰国の途中、香港にいる山仲間の香取を訪ねたが香取はまるで何者かに追われるように姿を消した。不審に思った坂本は彼のアパートを訪ねて香取の知人というハーフの梨花、魯奇刑事、通信員森垣らに出会ったが、彼らは何故か香取を探すことを揃って反対した。その帰途、坂本は殺人事件に出くわし、被害者は「ゴメスの名は……」と謎の言葉を残して死んだ。翌日、ゴメスと名乗る男から、殺人事件のことは口外無用、と脅しの電話を受けた坂本は、香取と馴染みだというダンサーのヴェラを探した。ヴェラは不在で、坂本は妖しい美女園子に誘われて踊った。その夜、ホテルに帰った坂本を待っていたのは見知らぬ男の死体で、坂本の身辺で起る重なる殺人事件に、魯刑事からスパイではないかと疑われた。その翌日、梨花が誘拐され、魯刑事は坂本に、香取が武器密輪に関係したスパイだったと教えられた。ショックを受けた坂本は街をさまよい歩くうち、偶然、梨花に再会したが、その時園子とその連れに捕われ、殴られて失神した。ヴェラというのは園子のことで、密輸の一味だったのだ。失神から目覚めた坂本を救ってくれたのは森垣だったが、森垣は自分がダブルスパイで、香取がそれを見抜いたので射殺してしまったと告白した。坂本の力ではどうにもならない力が、彼らの背後に働いているのだ。森垣はさらに、坂本に想いを寄せている梨花を日本に連れて帰ってくれと言った。その夜坂本は梨花を激しく抱いた。翌日坂本は森垣の指示通り「ゴメス」の合言葉を使って旅券をとり、梨花と森垣を空港で待った。しかし、二人はついに姿を見せず、坂本は、梨花の思い出だけを胸に秘めて機上の人となるのだった。

解説

結城昌治の原作『ゴメスの名はゴメス』を「白昼の惨殺」の星川清司が脚色し、「七人の刑事 女を探がせ」の高橋治が監督したスパイもの。撮影は「紀ノ川」の成島東一郎。

1967年5月27日より

  • 配給
  • 松竹
  • 製作国
  • 日本(1967)
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