陸軍中野学校 密命

日本が、ナチス・ドイツ及びイタリアのムッソリーニ政権と日独伊三国同盟を結んだ昭和十五年。中国大陸で謀略活動に従事していた陸軍中野学校の椎名次郎は、憲兵隊の手によってスパイ容疑をかけられ、日本に強制送還された。獄中で次郎は元外務大臣で新英派の高倉と親しく知りあった。自分が逮捕されたことを不審に思っていた次郎は、やがて釈放されて草薙中佐に会った時、このいきさつは、草薙が次郎を高倉に近づけるために仕組んだ工作だったことを知った。草薙は英国諜報機関の極東キャップのキャッツ・アイが日本に潜入してから、日本の機密が高倉の身辺から洩れていると語った。次郎は早速仲間の狩谷と共に高倉に近づいた。高倉は釈放されて、一人娘の美鈴と共に箱根で静養していた。ある日、高倉は次郎をも迎えてパーティを開いた。会場には英、米の大使夫妻などが姿を見せていたが、次郎は浅井男爵未亡人に近づいた。浅井夫人はドイツ大使館付武官ウィンクラーと特別な関係にあった。夫人は英、米側の要人に近づき、情報をウィンクラーに売り込んでいたのだ。そんな時、ウィンクラーは草薙に、日独間の外交機密が日本側から洩れているから調査してくれと頼んできた。草薙は調査を約束すると共に浅井夫人を遠ざけるよう忠告した。逆スパイの可能性が十分にあったからである。ところが、ドイツ側に見離された夫人は、情報を英国大使館に売り込みに行った時、意外な事実を知ったものか次郎に電話しようとした時、殺害されてしまった。その時から、キャッツ・アイの手は次郎の身辺に及んできた。しかも、高倉が狂信的な青年将校に殺され、次郎にとってキャッツ・アイの正体を探る手掛りはすべて失われてしまった。たまたま、重慶側のスパイ小柳をおどして敵のスパイ・ルートに食込んだ次郎は、ドイツ大使館を訪れた時意外にもウィンクラーの手で、英国側スパイとしてゲシュタポの手に渡されてしまった。だが脱出に成功した次郎は草薙と連絡をとり、小柳たちのアジトに乗り込んだ。そこで次郎はキャッツ・アイなる者が、実はウィンクラーに他ならぬことを知った。英国大使館に逃げようとしたウィンクラーが、次郎たちによって逮捕されたのは、それから間もなくのことであった。

解説

「ラーメン大使」の舟橋和郎がシナリオを執筆し、「若い時計台」の井上昭が監督した“陸軍中野学校”シリーズ第四作目。撮影は「若親分を消せ」の今井ひろし。

1967年6月17日より

  • 配給
  • 大映
  • 製作国
  • 日本(1967)
  • ジャンル
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  • スタッフ・キャスト