続・名もなく貧しく美しく 父と子

片山一郎は大学を優秀な成績で卒業したが、父道夫がロウ者というだけで有名会社にも入れず、しがない工員として働いていた。その一郎に、宮田夕子という恋人ができた。だが、一郎の父道夫がロウ者で、死んだ妻の秋子もロウ者であると知った夕子は、一郎から離れていった。ヤケになった一郎は工場もやめ、祖母のたまから小遣をせびり、悪い仲間と遊び歩くようになった。ある晩、酒場でグチっぽく身の上をホステスに話しながら飲んでいた一郎は、堺木工の社長・堺新太郎から“俺の会社に来い”と入社を勧められた。一郎には夢のような話だった。一郎は堺木工で生まれかわったように働いた。やがて一郎は係長に抜擢され、父道夫と一緒に堺の自宅に招待された。それは堺の一人娘美世との見合だった。美世は道夫と同じ先天性のロウ者だった。堺は将来、会社を一郎に任せるつもりで、娘を一郎と一緒にさせようと考えていたのだった。道夫は思いがけない良縁に喜んだ。しかし、一郎は愛情を無視した堺の打算的な考えに反発し、会社の仕事を怠けるようになった。一方、美世にはロウ者の南条という恋人がいた。南条も大学を出ていながらロウ者が原因で結婚もできず、作業員として働いていた。が、堺は二人の結婚を断固として許そうとしなかった。一郎の縁談を進めるため道夫は、南条をロウ者夫婦の家に案内した。子供三人もみなロウ者だった。ロウ者同士の不幸な結婚の現実を、まざまざ知った南条は、美世と二人で自殺を図った。幸い二人とも救われた。二人を、絶望のどん底に追いこんだのが、父道夫と知った一郎は、激しく父をせめた。必死に手まねでわびる父の姿をみて一郎は、自分も泣いた。そこには父道夫の五十年間の屈辱の人生の姿があった。それから時が過ぎた。美世と南条のために力をかす一郎の活躍が始った。道夫は一郎を育てるために一生苦難を背負って死んだ秋子のことをしみじみと思い出していた。

解説

「千曲川絶唱」の松山善三がオリジナル・シナリオを執筆し、自から監督した「名もなく貧しく美しく」の続編である。撮影も「千曲川絶唱」の岡崎宏三。

1967年5月20日より

  • 配給
  • 東宝
  • 製作国
  • 日本(1967)
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  • スタッフ・キャスト