あの試走車を狙え

ヒカリ自動車が研究中の新車208Pは、調査室次長乾敬介の監視の下に、テストを繰り返していた。その性能は素晴らしいもので、営業部長の小池は208Pの大口注文を取ろうと、乾を京都にいるタクシー王神林に会わせた。しかし、既にライバル社のアロー工業の黒川と橋田が神林と交渉を始めていた。神林は二社の競争を煽って値をたたこうという腹だったから、はっきりした回答は与えなかった。アローとヒカリの間に熾烈な諜略戦が始まり、特務機関上りの黒川に乾は悩まされた。対抗上、乾はアロー側首脳陣のスキャンダルを握ることと、関係官庁との黒い霧の実態を知るために、調査室の全員を動かし、やがて橋田と石山篤子という女の情事をカメラに収めた。これは、乾が篤子に工作させたのである。一方、黒川も208Pのデータを探ろうと、ヒカリ側の一人を抱き込んだ。乾も橋田と産業局長曽根山の贈収賄の証拠を握った。しかし、それも無駄で、アロー側の新車は、208Pと性能、外観がそっくりだったのである。乾は社内のスパイを突きとめたものの神林は値の安いアロー工業の新車を購入することに決定してしまった。事態を逆転させようとした石山は橋田の子供を誘拐し、新車納入をあきらめさせようとしたが、いくら企業戦争とはいえ、あまりに悪どい手段に怒った乾は、子供を奪い返すと、辞表を叩きつけた。そして橋田に会い、贈賄の証拠を示し、金を請求した。その金は、橋田が昔の恋人であったことから悩み、いまは自殺未遂で病床にある篤子と、かつての部下たちに分け与えるものだった。一匹狼となった乾は、現代は実力の時代、俺は俺なりに生きてみせると晴れやかな表情で力強く歩み出すのだった。

解説

「陸軍中野学校 雲一号指令」の長谷川公之がシナリオを執筆し、「大魔神逆襲」の森一生が監督した産業スパイもの。撮影はコンビの森田富士郎。

1967年1月28日より

  • 配給
  • 大映
  • 製作国
  • 日本(1967)
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