北国の旅情

北国の駅に降り立った上村英吉は、早速、クラスメイトの金井由子の家を訪れた。大学は冬休みに入っていたのだが、由子が帰省中に河原健二と婚約したという手紙をよこしたのだ。英吉の出現で、せっかくの良縁が駄目になるのではないかと、金井家の人は心配した。案の定、健二の父吉之助は英吉の出現に動揺した。また由子の父半造も、由子に英吉との関係を問いただすという有様だった。しかし、由子は英吉に、健二を愛しているから婚約したのだといい。英吉はそれを聞くと、由子の仕合せを祈って金井家を辞した。英吉は由子を前から好いていたのだが……。英吉はその足で、近くの山へ登っていった。一方、河原家では婚約披露宴が開かれた。だが、由子の妹妙子は、姉が本当は英吉を愛しているのだと思いこんで、その不誠実を憎み、姿を見せなかった。友達の保吉と山に行ったのだ。そして妙子がいつまでも帰らないので、家では遭難したのではないかと心配し捜索隊が組織された。一方、英吉が山小屋に入ってみるとそこに妙子がいたので驚き、訳を聞いて妙子を説得した英吉は、彼女を背負って下山した。そのおかげで、英吉はすすめられるままに、再び金井家に厄介になる。そんな英吉を見て、由子の決心もぐらつき、もう一度、結婚について考えたいと、霧澄温泉に行った。その後を健二が追っていった。英吉も、由子と自分についてよく考えてみなければならなかった。そして、健二と由子の間は生活と結びついた愛であり、自分と由子との間は、学園の中での友情なのだと悟った。英吉は温泉に駆けつけると、一切の胸のうちを告白し、健二と握手して二人の仕合せを願うと言い、翌朝、一番列車で英吉は東京に発った。それを健二と由子は、いつまでも見送るのだった。

解説

石坂洋次郎の原作を、「おゆきさん」の倉本聰と「帰らざる波止場」の山田信夫が脚色し、「白鳥」の西河克己が監督した青春もの。撮影はコンビの高村倉太郎。

1967年1月3日より

  • 配給
  • 日活
  • 製作国
  • 日本(1967)
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