夢は夜ひらく

親友の陽子と、横浜のナイトクラブで楽しんでいた矢沢マリは、隅然、ステージに立つ破目になった。しかし、マリの歌は好評だった。そのマリの前に岬という男が現われ、マリの兄の遺産一千万円を受取ってくれと言った。八年前、家出した矢沢は妹のために、岬、工藤兄弟らとキャバレーを経営し、苦心して四千万を貯えたのだが、間もなく、事故死したのだ。マリは、しかし、やくざになった兄への憎しみがまだ消えず、矢沢の分け前を受取ろうとはしなかった。岬は、矢沢の金を狙う工藤に追われていたのだが、矢沢の遺志を果たそうと、度々マリに会った。マリはそんな岬に惹かれていったが、幼な友達の陽子の兄誠は、岬がやくざと知って心配した。一方、工藤兄弟はマリと岬を探し出し、一千万円を渡せと拳銃で脅迫したが、老刑事三輪田に邪魔され、逃走した。マリは三輪田から、実は兄が工藤に殺されたことを知った。その夜、岬とマリはしみじみ語り合い、初めて唇を交し合った。そして、岬は矢沢の形身として美しいペンダントをマリの首にかけてやるが、それは矢沢の遺産に価する高価なものだった。マリと別れた岬は工藤兄弟の呼び出しに応じて港に急いだ。岬は、自分の分け前を元手に、ブラジルに渡って新しく生れ変ろうと思っていたのだが、そのためにはまず、工藤との決着をつけねはならないのだ。しかし、やがて射ち合いになろうとする瞬間、三輪田が駈けつけて工藤兄弟は逮捕された。そして、知らせで駈けつけたマリに、三輪田は岬が射ち合いで死んだと告げた。それは、岬の更生の決心を知る老刑事の思いやりからだった。マリはペンダントを握りしめて泣き崩れた。やがて、白みかけた海に向って、岬を乗せたブラジル行きの船が静かに出て行った。

解説

同名のヒット曲を映画化した純愛もの。「愛して愛して愛しちゃったのよ」の才賀明と中野顕彰が共同で脚色。「大巨獣ガッパ」の野口晴康が監督した。撮影はコンビの上田宗男。

1967年1月14日より

  • 配給
  • 日活
  • 製作国
  • 日本(1967)
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