限りある日を愛に生きて

紀子は高校を出てから二年後に、重症の心臓病になり、大手術のため入院したが、手術の予定が二度も変更になって、不安がつのるばかりだった。心配した兄の文学は、新聞の読者欄に手術を待つ妹へ慰めの手紙を送ってほしいと投書した。激励の手紙の中に草薙という、新聞配達をしながら大学の受験勉強をしている青年からのものがあった。紀子は一度この青年に会いたいと思い、兄に頼んだ。紀子が始めて草薙に会った日、彼は菊の花束を持ってきた。紀子には忘れられない対面となった。手術の前日草薙は再びやってきて紀子を勇気づけるのだった。手術の結果、紀子は奇跡的に助かった。だが次の草薙からの手紙には回復したら自分の役目は終ったのだから、互いに別の人生を歩もうと書いてあった。だが紀子は手術後も血清肝炎、敗血症などの病魔に襲われ、そのつど必死に闘った。退院後紀子は早速草薙に会い、その懸命な生活態度にうたれ、自分も負けてはいられないと、製薬会社の臨時工になった。そして二人は会う毎に愛情を深めていった。疲労から紀子が倒れた時も草薙の励ましが彼女を立直らせた。やがてM大にみごと合格した草薙は紀子に四年後に結婚しようと約束した。だが紀子には、手術の時に、医師からあと十年しか生きられないと宣告された秘密があった。このことを打ち明けられた草薙は今まで以上に紀子を勇気づけるのだった。主治医の許可をとると、周囲の反対をおして、二人はアッという間にテレビ結婚の段取りをきめてしまった。紀子は限りある生命ゆえ一日も早く幸せをつかみたかったのだ。感動にふるえる二人を、テレビを通して全国の人々が見守っていた。

解説

草薙実の同名の実話小説を「続・酔いどれ博士」の新藤兼人と関功が共同で脚色。「女の賭場」の田中重雄が監督した青春もの。撮影は「野良犬(1966)」の中川芳久。

1967年1月14日より

  • 配給
  • 大映
  • 製作国
  • 日本(1967)
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